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偽物の星

「どう取られても構わん。そういう事だ。……数週間前に星が落ちてから星が見えなくなった」

「え、夜空に星はあったような」


 僕は夜は早く寝てしまうけど、それでも夜空を見る事はあって。

その時空に星はあったと思う。


「あるにはある。けれどあれは生きている輝きではない」

「今まで生きていた輝きが急に失われた。そしてそれによって読めなくなった。あの陽の光すらどこまで本当なのか」


 そんな事が可能なんだろうか。この世界は見た感じ中世くらいで魔法が使えて他種族で構成されているRPGの世界に見える。そもそもここはどうやってできた場所なのだろうか。地球ではないような感じはするけど、空気はあるし海もあるし凄く似ている……。


「運命の泉。あの近辺から康紀は現れた。ウルドがおらず、今はスクルドの居る泉から。と言う事はこの世界のベーシックな者ではお話にならないから呼んできた、と言う事かねぇ」


 その言葉に皆の視線が僕に集まる。


「い、いやぁそんなに凄くないですよ……」

「星の力がこの星で生まれた者に継承された、という話を聞いた事が無い。と言っても私たちも以前そうだったかは分からないがね。案外それで歯が立たなかったから、外部から呼んできたのかもしれないねぇ」


「これまでも隙間から異端の者が現れていたのは知っている……私の憶測だが、康紀も異世界から召喚されたんだろうがグラディウス国の北で現れた星の剣、あれも同じだろう。確実にそうであると確認した訳では無いが、また同じことを繰り返そうとしているのではないか? そう思ったのもあって私は康紀に協力する事にした」


 な、何だか壮大な話になっている。国を造れって言われたのも凄いけど。


「なるほどねぇ。私もノルンの見解と同じ考えだ。星が神を拒否し始めている。確かに神によってこの星や生き物は誕生した。だが何をしても良いという訳じゃあない。そこには人だけでなく様々な人の思いや考えがあって今まで歴史を紡いできた。良い事ばかりではないにせよ、色々な事を乗り越えてここに居る。それを否定や拒否して無かった事にされるのは堪らない」


 侯爵の悲痛な顔を始めてみる。まるで長い年月をかけて寄り添って来たような、

そんな顔をしている。


「込み入った話はまた今度する事にしよう。簡単に言えばウルドではなくスクルドに変えられた。今日はその話をする日ではあるまい?」

「そうだったねぇ。私としたことが。君がそれに噛んでるのかと思ったけど」


「噛んでたらこんなところに居るもんか。私が大地に根を下ろしたと言う事はそういう事だ。簡単でない事はお前も良く知っているはずだが?」


 侯爵はニヤリと笑って返す。それに対してノルンさんはムスッとして返した。


「あ、えっとですね。今回先に侯爵からお話があったと思うんですが、こちらの行動で国を刺激してしまう可能性がありまして」

「聞いている。こちらが見ているのにあちらが見ていないと言う事もあるまい。確実に刺激しただろう。今まではファウストと国の繋がりで自由な行き来を見逃してもらっていたのを、正式に敵対するとなれば話は別になる」


「そこでダークエルフさんの達の隠密技術をお借りして」

「皆まで言うな。私はお前に協力すると言った。無茶な話は難しいが監視と危機を知らせる事は我々にとっても大事な事だ。早速手配する」


「有難いねぇ。出来ればその他でも色々と協力してくれると助かる」

「無論だ。我々の命にも関わってくる問題だ。だがその分見返りも期待するぞ?」


「当然だろうねぇ。そろそろこちらも具体的に行動する時が来た、と言っても過言じゃないかもしれない」

「各部族に自らの身の処し方を問う、と言う事だな」


「そうさなぁ。こちらとしても無制限に守れるわけじゃあない。協力的なところを優先に、となるのは仕方ない事さぁ。君たちダークエルフ、リザード族、ボブゴブリンにエルフ」


 エルフの言葉にノルンさんはぴくっと眉間に皺を寄せた。 

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