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森林散策

切り株に腰掛けなら一息吐く。シェンリュさんは其々にテキパキと支持を出している。

自分より年下なのに凄いなぁと感心してしまう。僕は今も支持を出される側で。


「何だ背を丸めてくたびれた顔をして」


 そつなくこなして僕の所に来たシェンリュさんに微笑みながら立ち上がり


「シェンリュさんは凄いなぁと思ってさ」

「褒めた所で何も出ないと言ったぞ」


「別に褒めたわけじゃ無いよ。素直な感想を言っただけだよ」

「そうか」


 シェンリュさんは少し微笑んで歩き出す。照れもせず素直に受け入れられるのも

凄いなぁとまた感心してしまう。僕は引き籠ってた割には、というか引き籠ってたからなのか色々な出来事に対して喜怒哀楽が大きい気がする。


「康紀、先導してくれ」

「あ、はい」


 ついつい自分の事ばかり考えてしまって忘れていた。シェンリュさんを招いたのは僕たちだ。


「康紀は感情が豊かで良いな」

「そ、そうですか? ……あんまり良くないですよね」


「そうだな。のべつ幕無しに感情を垂れ流すのは味方としては不安な部分はあるだろう」

「ですよねぇ……」


「だが場を弁えているなら寧ろ好ましい事さえある。私の様に終始仏頂面ではな」

「いや凛々しくていいと思います。指揮を執る人間として」


「なら上手く学んで使ってくれ。私は家の代表として生きる定めの元育ってきた。故に感情をあまり表に出さないよう練習してきて慣れたに過ぎん」

「それは……」


「家の代表という名誉ある者として凛々しくあらねばならないと私は育てられてきたし、私も今はそう思っている。哀れみを受ける覚えはないが、自然ではないとも思っている。難しい問題だがな」


 家の代表かぁ……家の汚点にはなった事があっても誰かの上に立つと言う

経験をしてこなかったから、それがどれほどの事なのか分からない。


だけどこれからはそうも言ってられない。侯爵が代表ではあるしジャンさんもいるし

其々の代表も居るけど、僕が集めたと言っても過言じゃない。代表の一人になる。


責任を持って全てに当たらなければならない。シェンリュさんと話してみて、

シェンリュさんのような態度はこれから必要になってくると思う。


僕にとって国のやり方はレイナさんの件とゴブリンの件で許せない。

だけど心の底から憎いという訳でもない。


目標として国を造るというのがあるけど、乗っ取るのは違うと思っている。

だからこそ荒れ地を確実に確保する為にも国の侵攻や無茶な戦争には賛成せず、

この地域を護る必要があるからやっている。


今後戦いになれば死を間近で見る事になるだろう。命を奪うと言う感触は今も残っている。

これからは味方の命も僕の考えや行動によって奪ってしまう。


代表として凛々しく背筋を伸ばしていかなければならないだろうし、

先に亡くなった人たちの為にも僕の考えや思いやり遂げたい事を語り

それを成し遂げて行かなければならない。


命を懸けるに値する人間になりたいなぁ……。


「おい康紀、どこまでいく」

「え、あ」


 シェンリュさんに言われてハッとなり周りを見渡すと、

ダークエルフの村の近くまで来てしまっていた。


「……まぁお前も思い悩む事もあるだろう。良い散歩にもなったようだし」

「いや、あ、すいません。シェンリュさんと話して色々考えてないなぁって思って」


「そうか。それで答えは出たのか?」

「そうですね……。信念と言うかなんというかそういうのを形にして分かるように出して行こうかなとちょっと思って」


「良い考えだな。今私たちは切迫している状況だからこそ結束しようとしているが、事が治まった時に結束した状況のまま居られるかどうかは康紀次第だろうからな」

「そうですね。ここを護り確立したあとの勢力分布で皆さん協力してくださってる訳ですからね」


 そう、事が治まった後皆自分の領土とかの話になると思う。

結局バラバラなままでは問題は解決しないままどころか悪化するかもしれない。

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