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食事と家畜と

 ジャンさんはテンションが高かった。森へ行ってもそのままで、

狩りをする。猪みたいのを二体倒すと、二人で泉の近くまで運ぶ。


 狩った猪に僕は手を合わせ、ジャンさんは十字を切った後

解体して肉を確保する。


 巨大な笹の葉っぽい物に水をすくって手等を洗いつつ、

終わった後に笹の葉の上にお供えを少しして、家に戻る。


 途中で小さな枝等を脇に抱え、家の前まで戻る。

そして岩で円を作り、枝を入れる。


「取りあえず火を起こしましょう」

「オッケー!」


 僕とジャンさんは競い合うように、短くした丸太を寝かせて枝を立てると、

それを手を合わせて挟んで回転させる。


異世界に来てパワーアップした所為か、あっという間に煙は立って火が起こる。

それを枝の中へ入れるとキャンプファイヤーのようになった。

細い丸太を両端に立て、枝で横に突き刺した肉をその上に置く。


「いただきます!」


 手を合わせてそういった後、焼けた肉を食べる。ジャンさんは十字を

切った後食べ始める。国や人によって、違うなと感じながらお腹を満たす。


「残った肉は焼いて処理しておくか」

「そうですね。調味料が無いから干し肉に出来ませんし、燻製機もないので燻製にも出来ないし……」


「そこらへんも早めに手に入れないとな。死活問題になる」

「ですね」


 僕とジャンさんは取りあえず家の中へ入り、横になる。地面が砂で柔らかい部分に

寝転がったので、何とか寝れそうだけど、枕がほしい。後掛ける物もほしい。


「おやすみ」

「おやすみなさい」


「んだあああああああ!!」


 叫び声に驚いて飛び起き外に出る。そういえばすっかり忘れていた。連れて来てたっけか。


「この化け物ども!あっちいけ!しっしっ!」


 よくみると、狼ぽいのに囲まれていた。よく生きているなぁ。


「なんだなんだ!?ってああ居たな」


 ジャンさんも忘れていたらしい。そして狼ぽいのはこちらを見て身構えた。


「しょうがない。やっつけるか」

「んー。でもこれお肉あげたら懐きませんかね」

「わからんなぁ。でもやってみるか?」


「狩猟のときとか手伝ってもらえると楽になりそうだし」

「ちょ、ちょっと!アタシを無視しないでよ!」


 ジャンさんと顔を見合わせ溜息を吐く。


「俺はうるさいのはあまり好きじゃない」

「僕も苦手です」

「うるさい! 早く何とかしてよ!」


 やれやれと思いながら、夕食で食べた肉をスライスしてヒラヒラと手で揺らし、

狼ぽいのに来るよう促してみる。


 が、それを見て飛び掛って来た。まぁ当然だよね。野生だもんね。


「怠惰の結界(スロウスサークレッドプレイス)


 僕は狼ぽいのが全員範囲に入ってきたのを確認すると、結界を張る。

ジャンさんはとっさにもかかわらず、魔法少女の足を引っ張って範囲から出ていた。


「よーしよしよし」


 ヘタっとした狼ぽいのを一匹撫でながら、お肉を与えてみる。最初はいやいやしていたが、

もうどうしようもないと悟ったのか、諦めて肉を食べ始めた。その間に他のを外に出す。


最初は外に出した狼ぽい仲間達は吠えたり入ってきたりしたが、無視したり外に出したり

すると、諦めて森へ帰って行った。


 ただ一匹諦めず粘っていたので、また入って来た時に同じように撫でつつ肉を

与えてみた。暫くして頭が痛くなってきたので結界を解く。二匹はそのまま寝てしまった。


「えげつないな」

「そうです?」


「こんなの群れに帰れなくないか?」

「ああ」


 養えないから一匹兎に角と思ったら、

そういうことになってたのね。


「ちょ!私を解放しなさいよ!」

「ジャンさん、取りあえず火を絶やさなかったら大丈夫そうですね」

「そうだな。火が苦手だからな動物は」


「朝まで休みましょうか」

「寝ておかないと体力が今のところ平気だが、

何が起こるか解らんしな」

「無視すんな!」


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