ゴブリン討伐戦その①
僕たちの前に出された紙には、
”ゴブリン討伐”
”薬草取り”
”警護”
”未解洞窟の探索と採取”
と書かれていた。
「……これってもしかして」
「……俺が嫌いなのは分かるがあからさまだなベイビー」
ゴブリン討伐……これは恐らく彼らの事だろう。ジャンさんと顔を見合わせる。
「多くは言わないは。でも出した意味は考えて頂戴。馬鹿じゃないでしょ」
それを聞いて僕たちは受付のお姉さんを見る。
「ヒュー! 流石俺の愛しのベイビー」
「……くだらない事言ってないでどれを受けるのか決めたの?」
「「勿論さベイビー!」」
その後僕たちはえらい目にあわされ外に放り出された。フェンとヴィトは
心配して顔を舐めてくれた。悪乗りをしてはいけないと学んだ。
受付のお姉さんは思う以上に強く。ただあのジャンさんが女性だから手加減したとか
そういう話ではなかったようで……。
「すまん……」
「いえ僕こそすいません悪乗りした」
「いやそれは良い事だ。いつまでも暗くて真面目にやってもお前が疲れるだろう? 俺も似たような感じだが、頑張ってる面もあるし何より真面目に考えても分からん事が多過ぎてな」
僕は背中を強打しジャンさんは顔を腫らして街を歩く。
来た時は少し恐怖していたように見える街の人も、今は心配そうに見ていた。
「ふははははは! ジャンだけでなく小僧もやられるとは良い事」
とぼとぼと入って来たところへ戻ると、僕らを見つけた衛兵のおじさんは
口を大きく広げ笑った。
「性格の悪いジジイだぜ! そんなに若者が痛めつけられて嬉しいかよ」
「良い事だと思うぞ? 元気なのもしばかれるのも若いうちだけだ。何せ年を取れば相手が虐待で訴えられる事になる。何しろ爺は金を持っているからな! わはははは!」
おじさんは上機嫌だ。なんでだろうか。
「兎も角お前たちが魔神の様な連中じゃない事が、これで証明された訳だ」
「魔神ですか?」
「そりゃそうだろ。ゴブリンは連れてくるわ強そうな狼は連れて歩くわこう……なんていうか、気配っていうのか? 俺が感じてるだけでもお前たちは凄く強そうだ。何かこの世のものじゃない様な」
ジャンさんと顔を見合わせる。確かに強そうな人は気配で何となくわかる。
特に僕は筋骨隆々ではないのにそんな気配をさせてゴブリンや狼を連れていたら、
魔神だと間違われても仕方ない。
「す、すいません」
「いやいい。こういう事は難しい問題だ。ギルドの受付にくれぐれも感謝するようにな。今後も自分たちの動きに気を着けるように」
「はい」
「サンキューおっさん」
僕たちは一旦街を出て、僕たちの
本拠地へと戻る。依頼の内容はこうだ
”付近に居るゴブリンを退治しその証拠を持ってくる事”
とある。報酬は金貨五枚。
「金貨五枚は大分良い報酬だぜ」
「この証拠をどうするかが問題ですね」
「ああそれもそうだが、どうやらこいつは大変だ」
「というと?」
「ここを見ろ」
紙の下の方には点が四つあった。
「ここに集落があると?」
「ああ。一旦あいつらと話した方が良いだろうな。だが時間は無い。猶予は三日。この期間内に無理な場合は、王国の兵が来る」
「王国?」
「そう、この辺り一帯はその国の領土だ。王様は割と理解があると言うか頓着しない性格らしいが、その子供が好戦的らしい」
「……嫌な予感がしますね」
「だろう? そういうのもあって何とかしろって事なんだろう」
「ゴブリンてそこまで凶暴なんですね」
「そう思ったんだがな……どうも俺たちのあったゴブリンはイメージが違う」
確かにその通りだ。ゴブリン親分たちは最初と今ではまるで違う。
それには何か意味があるのか。二人で唸っていると、フェンとヴィトが
小さく吠える。
その方向を見ると、ゴブリンたちがこちらに来ていた。
その後今回の話をゴブリン親分たちにすると、どうやらゴブリンでも
違いがあるらしい。
「それは種族的な問題?」
「そう。オレたちはボブゴブリンは生きる為に人から奪う。でもゴブリンたちは違う」
「ゴブリンとボブゴブリン」
「そうゴブリンは生まれが違う。オレたちボブゴブリンは母から生まれる。ゴブリンたちも本当はそうだけど、今は違う」
「彼らはどうやって?」
「人間の女性に産ませる。その後人間の女性死ぬ。オレたちはそう言う事しない。人間を刺激すればオレたちも危ない。だけど人間は情がある。でもダメ。ゴブリン達見逃せば人間の女性を攫う繁殖するまた襲う」
「……なるほどなぁ……それで親分たちは人に恐れられたし俺たちもあんな目にあったのか」
「そう。彼らは悪魔を信仰しているゴブリン。オレたちは大地の精霊の端っこのボブゴブリン。違う。だけど見た目はあまり違いない」
しょんぼりする親分たち。一朝一夕で解決する問題ではない。
だけど今こうして依頼が出ていて国が出てくるかもしれない以上、
俺たちでやらないと親分たちも危ない。
「親分、その問題は今後考えて行くとして、今はこの問題を先に解決しよう。親分たちと同じボブゴブリンたちはどこなのか教えてくれるかな」
僕がそういうと、親分たちは紙の周りに来た。そしてあれやこれや話している。




