資金調達の為に依頼を受けよう
「お、なんだなんだ」
二匹は柵を飛び越え、僕の前に来て止まった。
特に威圧感は無いものの、付いてくぜって感じで待ってるようだ。
「さてどうするか」
「そうですね、一応家一軒まともに建てたい気がします。そうすればゴブリンたちも家を建てられるかもしれないし」
「それもそうだな。後は畑が出来れば欲しいな。家畜を飼うにしても餌が無い。牧草も何れ欲しいし」
「となるとやっぱり冒険者ギルドでお仕事しますか」
「だな。取りあえず本格的な建築に向けて、工具を買う為に依頼を受けるか」
「了解です。そしたらゴブリンたち、暫く家族とゆっくりしてくれ。僕たちは家を作る材料代を稼いでくるから」
「俺たちも手伝う」
「手伝って欲しいのは山々なんだけどな。どうもお前さんたちの顔がいかんらしい」
「仕方が無いね。でもまぁ皆には暫くしたらガンガン動いてもらうし、住む場所もこっちに徐々に動いてもらうかもしれないから、家族とよく話して過ごして欲しい」
なんとか色々話してゴブリンたちは一旦引き上げた。それを見送った後、
僕とジャンさんは冒険者ギルドのあった街に移動する。
「なっ!?また貴様らか!?」
門兵さんに顔を覚えられたらしい。
「ど、どうも」
「よう。今日はゴブリン居ないから良いだろ?」
「そ、それはなんだそれは!?」
「ああうちの新しい家族デス」
「それ狼じゃないのか!?」
「狼だったら人にくっついて来ないだろ?」
「……たっ確かに大人しい……あ、じゃあこの子供に触らせても平気か!?」
偶々鼻水が垂れてる女の子がお母さんと一緒に近くに居た。
指差されてお母さんは逃げようとしたが、女の子は無邪気にこちらにきた。
「ごしごし……」
フェンの方の頭を髪を梳かすように撫でる。フェンは目を瞑ってもっとしろと
催促した。これはブラシを買うか作らないといけないなぁ。
「へ、平気だ」
「でしょ。入って良いかい?」
「な、何か問題があったら出て行ってもらうからな!」
「了解ですどうも」
僕とジャンさん、フェンとヴィトは中へと入る。女の子をお母さんに
返してギルドへと向かった。
「あらあんた達帰ってきたんだ」
「随分とご挨拶だな。物入りなんでね。依頼くれよ依頼」
「アンタの場合変なことするからなるべく女が居ないのにしないと」
ジャンさんとギルドのお姉さんのやりとりを聞いてつい噴出してしまう。
視線が集中する。
「あー、えーと出来ればちょっとお高いもので」
「無くは無いけどアンタ大丈夫なわけ?どうみてもコイツみたいに腕っ節なさそうだし、武器とか使えなさそう」
「まぁ確かに。でもちょっとやる事があってお金が要るんで頑張ります」
「へーやる事って何?」
「山を越えた向こうにあ」
「いや何でもないから!兎に角金払いの良いのを頼むよ!バンバン片付けるからさ!」
「……あん?まぁ良いや。ちょっとまってて」
お姉さんはカウンターの奥へと下がっていく。
「おいおい妙なことを言うなよ。誰かに何かされても俺たち今離れて動いてるんだからさ」
「あ、そうか」
「それにゴブリンたちの事もあるし、色々金が手に入ったら調べてみるのも手だ」
「グルヴェイグさんに聞くのは?」
「良いかもだけど、ただで聞くより土産の一つもあった方が絶対良いだろ?」
「あー」
僕にはそういう気が回らない。流石ジャンさん。もてる訳だ。
「ちなみにモテるモテない以前の問題だ。心配りだよ。そういうの日本人なら得意だろ。御もてなしの心よ」
「日本人も色々居ますから……」
「まぁそりゃそうだ。兎に角女性には特に気を使って損は無い。甘いものとか光るものとかそういうのがあると良い」
「な、なるほど……」
「ちょっと馬鹿なこと言ってないの。ほら適当なのを幾つか見繕ってきたから、好きなの選びなさいよ」




