ゴブリン?
久し振りの更新です!
森の中を馬車がゆっくりと進んで行く。
馬車の中には俺、隊で1人の魔術士のグム、ウルグ、御者の4人が乗っている。
最初の方はグムやウルグと話しながら暇を潰していた。
たまに空を飛んでいる黒い影や月を眺めるのにも飽きて段々やる事がなくなる。
フッフッフッ…
こんな時のために道で木の棒を拾って置いたのだ!
これで俺専用の武器を…
ムフフフ、夢が広がりますなぁ!
早速部品の製作に取り掛かる。
ちなみに木を削るにはナイフを使う。
馬車が揺れるので、ナイフに苦戦していると、前から馬に乗ったケビンさんがやって来た。
凄く険しそうな顔をしている
「おい、前方にゴブリンがいる。俺が魔薬を使って気をそらすから思いっきり馬車を飛ばせ。音を消すのを忘れるなよ」
「わかった、気を付けろよ」
「ああ、まだ死ぬつもりはないからな」
そういいながら鞄から丸い野球ボールくらいの玉を出しながら脇道にかけて行く。
「お前ら、落ちないようにどこか掴まっとけよ」と御者の人が皆んなに注意を呼び掛ける。
俺以外のみんながさっきのケビンさんのような険しい顔をする。
なんでみんなそんな顔しているんだ?ゴブリンだろ?
グムが呪文を唱え出す。
「なぁ、グム呪文なんか唱えてどうするんだ?」
グムがニヤッとする。
「こうするのさっ」
馬車が地面から10cmくらい浮く。
「おぉ?」
「これでも、俺はサウス帝国1の魔術士なんだぜ」
グムが得意げに話してくれる。
グムの説明によると馬車を重力魔法で浮かべて、馬への負担を軽くするんだとか。
魔法便利だな!おい!
魔法のおかげで馬車がドンドンスピードを上げていく。
スピードを上げてしばらくすると、ケビンさんの向かった方向で「パンッ」という音がした。
それと同時に木の倒れる音がする。
ん?木の倒れる音?
俺は木の倒れた方に視線を向ける。
視線の先には、月明かりに照らされた緑色のビルと同じくらいの
“鬼”がいた。
ゴブリンの大きさを『5m』から『ビルと同じくらいの』に変更しました。