ブラック企業からの脱却!
「お先に失礼しますー!」
「おう!お疲れ〜」
「クソ部長…俺ばっか仕事寄越しやがって…」
と、ぼやきながら1人残業する男。
俺、矢島 守 28歳 独身 は、
自称かなりのミリオタである。
といってもみんなの想像する「第一次ソロモン海戦は、太平洋戦争時の1942年8月8日から9日に日本海軍と連合国軍の間で行われた海戦で…」なんていう歴史とか、メチャクチャ好きなミリオタではなく、
兵器が好きとかそうゆう技術系のミリオタである。
そんなの関係なくミリオタはミリオタだろって?いや、ここ重要だからね!?テストに出るくらい重要だからね!?
ゴホッゴホッ…
とりあえず…
「ネムテェ…」
何を隠そう、昨日も遅くまで残業だったのだ。
とんだ、ブラック企業だ。
そんな事を考えながらパソコンと睡魔と俺は格闘中である。
カチッカチッスーカチッスーカチッカチッスー…カチッ……カチッ……スー…………カチッ……………スー………………
俺はゆっくり意識を失って行く…
どうやらパソコンと睡魔が勝ったらしい。
さらば、仕事!
そんな事を思いながら眠りのつくのだった…
チュンチュンチュン…
朝日がゆっくりと俺を照らし出した。
そこで寝る前を思い出す…
朝といえば部長が会社に出勤する時間である
「ヤベッ!」
ガバッ!
起き上がって周りを見てみる…
俺がいるのは、会社ではなく、
また、自分の家ではなく、
ゲームとかでよく見る西洋風の鎧を装備したおっさん2人組と見知らぬ森の中だった…
おかしい…
自分の家ならともかく何故森の中なのか…
部長が怒って森に捨てられたとか?(いや流石にないか…ないよね?)
そもそも、なんで目の前のおっさん2人は鎧とか着てるんだ?なんかのコスプレか?
ウ〜ン…
「おい…おい!」
「ん?」
呼ばれて目の前を見てみると、そこには眉を吊り上げたおっさんの顔がアップで…
「うぉ!近!」
おっさんAが顔を上げておっさんBと目を合わせる。
「珍しい服と顔だが…喋ってるのはうちの国の言葉だな…噂の異世界人か?」
「噂は噂だろ?とりあえず、抵抗しなければ隊長の所まで普通に連れて行くぞ」
おっさんAがこちらを見る
「おい、立てるか?」
おっさんAが手を差し出してくる。見た目の割におっさんAは、意外と紳士のようである
「ああ、悪いな。よっと…」
立って周りを見渡す
どうやら、ここは日本じゃないどこかのようだ。だって日本にはこんな鎧着たおっさんとか森の中にいないしな。
しかし、我ながら冷静だな…
あれか?俺が鈍いだけか…?
まぁ、違うよな!
そんな事を思いながら
俺はおっさん2人に挟まれて歩き出した…