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その時少女は・・・

「急げー!!」


地上界第三層の住宅街を全速力で走り続ける一人の少女と一匹の獣と一羽の鶏がいた。


「主よ。そんなに急がなくても獲物は逃げないと思うぞ」


少女を主と言っている獣の名前はキマイラ。


ライオンの頭と上半身、下半身は山羊、尻尾は蛇でできている魔獣である。


「何を言ってるんだ!ポチにはあの肉の価値がわからないのか!」


そのキマイラに対し少女はポチと呼んでいた。


「いや、分からないわけではないが、あれを食べようと思う人達を我は今まで見たことがない。・・・我等を除いては・・・」


「コケー!!」


「ん?主は違うのか?」


「コケコッコッコ!」


「ピヨちゃんは何と言ってるんだ?」


「見た目で判断して食べないやつは少ないっと言ってます」


「さすがピヨちゃん!よくわかっているな!今日のご飯は大盛りにしてやる!!」


「コケー!!」


嬉しそうに羽を羽ばたかせながら喜びをアピールする。


ピヨちゃんというこの鶏はコカトリス。


吐く息は周囲を石に変えてしまう恐ろしい魔獣である。


「よし!もう少しで目的地へ到着するぞ!」


全速力でかけている少女。


黒い長髪の髪、黒く美しい瞳、色白の肌、動き回るには不釣合いの着物、年齢は10,11くらいに見える。


そんな少女がいったい何の肉の為にここまで一生懸命になっているのだろうか・・・。


「主よ到着したぞ」


店から豪快な声がする。


「らっしゃい!!今日も元気いっぱいだね嬢ちゃん。今日は何にするんだい?」


屈強なミノタウロスが少女に声をかける。


ミノタウロスとは、頭は牛で体は人と変わりが無いが力が尋常ではない。


素手でも十分に人などをつぶせるほどの力を持っているが、斧・鈍器を持ったときの破壊力は一撃で家を破壊するほどだ。


「マンティコアのバラ肉を300gくれ!」


「あいよー!ありがとさん!!嬢ちゃんだけだよ毎回こんな肉買うのは、そんなに好きなのかい?」


「当たり前だ!今まで食べた肉と比べ物にならないくらい美味いぞ!」


「そうかい。嬉しい事いってくれるね!こいつはおまけだ!」


「いいのか!おっちゃんありがと!」


マンティコアとは人面の顔を持ったライオンの体で、尻尾にさそりのような毒針をもっている魔獣である。


外見が醜くいのも不人気の一つだが、皮膚がとても硬いので解体が難しく、あまり食べれる部位がなく、あまり好き好んで食べる人がいない。


最近では、食用ようにマンティコアを改良して食べやすくしたのが売られているが、売り上げはイマイチらしい・・・。


「では早く帰って夕飯にしよう」


そう言って少女はキマイラの背中に乗った。


「ちなみに主、今日の献立は?」


「カレーだぞ。もちろん辛口だ」


「コケー!!」


「ピヨちゃんも嬉しそうだな!では帰るとしよう。ポチ全速前進だ!」


「了解した」


少女を乗せたキマイラは風の如く走っていった。

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