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かくして類は友を呼び、信用できない

タイトル詐欺

 学校。

 それはコミュニケーション能力の向上を図りかつ社会に適応できる人材を作り上げる機関のことだ。

 だが、近年は自称コミュニケーション障害、通称コミュ障と呼ばれる輩が増えているらしい実に嘆かわしい。まぁ、僕ほどのコミュニケーションマスターになれば他人との会話なんて呼吸をするかのごとく楽勝だけどね。

 しかし、歴史のテストは別だ。日本の歴史は漢字が多すぎるんだ。


「お、使郎。相変わらず一人か」

「おい、人をぼっちみたいな言い方をするのはやめろ、じん


 テストが終わり机に突っ伏した僕に話しかけてきたチャラい男-最高神もわだか んはニヤニヤしながら微妙な色合いをした金髪をかき上げた。


「妹としかコミュニケーションをまともにとれないやつはボッチだろ?」

「失礼ね。私は使郎となんてコミュニケーションをとってないわ」


 神の言葉に嫌そうな顔をしながら隣の席にいた然が噛み付いた。


「え、僕の一方通行?」

「いえ、むしろ行き止まりね」


 会話のキャッチボールすらありませんか。


「会話のボールは絶好球でホームランよ」

「スルーよりひどい!」

「はっはっは、然っちは相変わらず兄貴にはひでぇな」


 神よ、笑い事じゃないんだぞ? 僕のプレパラートより薄い心はひび割れてます。


「だまれ! 最高神さいこうしん!」

「お前こそだまれ!天使エンジェル! 俺の方が位が高い! そして貴様は頭が高い!」


 くそぅ! 向こうの名前も痛いが格が違う!


「で、なんの用だよ? リア充爆発しろ」

「おいおい、親友の俺に対して流れるように暴言を吐くとはなんて神経してやがるんだ」

最高神さいこうしんは使郎と親友だったの?」

「ああ、常に騙し合う仲と書いて親友だぜ」

「殺伐とした友達宣言をさらっとするな!」


 そんな関係の親友とかいらないよ。


「それはさておき、さっきのテストどうだったんだ?」

「とりあえずは埋めたよ」


 一夜漬けの効果は多少あっただろう。とりあえず赤点は回避できそうだし。


「然っちはどうよ?」

「わたしは満点間違いなしよ」

「どっからその自信がくるんだよ……」


 こいつ昨日も徹夜でゲームしてたからな。


「信○の野望をしていた私に死角はないわ」

「「限定的すぎる!」」


 相変わらずのゲーム脳だな。


「いい国作ろうキャバクラ幕府」

「作れねぇよ! むしろ滅ぶ!」

「敵は煩悩寺にあり!」

「本能寺だよ! しかも敵はお前の煩悩だ! さらにそれ明智光秀じゃないか⁉︎」

「泣かぬなら揚げてしまえ鳥の唐揚げ」

「ホトトギスぅ⁉︎」


 こいつの信長知識は完全に間違っている。


「しかし、然っち。そんな解答じゃぁ、補習だぜ?」

「私は勉強したくないの」

「勉強しないと夢を叶えられないだろ? 勉強しとけば可能性は広がるぜ?」

「いや、そうだけどね」


 神の言ってることはとても正しい。そりゃもう正論だ。論破のしようがないくらい正論だ。


「使郎、神、あなた達は勘違いしてるわ」


 そんなことを考えてると然が大きくため息を付きながら言ってきた。


「あたし達は学校という組織に洗脳を受けてるのよ?」

「また斜め上の発想だな!」

「いえ、むしろ教育というのがすでに洗脳よ」

「育てるところから⁉︎」

「この世界は欺瞞に満ちている」

「もうよくわからない!」

「合衆国ニッポン!」

「州化しちゃうの⁉︎」

「お前ら楽しそうだなぁ」


 僕と然ののやりとりを見ながら神はニヤニヤと笑ってる。殴りてぇ。


「ならお前のとこに貸してやるよ」

「いやいや、家にはすでに手のかかるのがいるから遠慮するよ」


 手をひらひらと振りながら神は断った。まぁ、そうだろうな。

 然の方を見るとなにやら教科書を見ていた。


「なんだよ、今頃勉強し始めたのか?」

「違うわ」


 しばらくパラパラと教科書のページをめくっていた然だったがやがて止まりパタンと音を立て教科書を閉じた。

 やがて頬杖を付きながら窓の外に目を向けた。


「どうしたんだよ」

「恋な悩みか?」


 僕と神が尋ねると然は気だるげにこちらに向き直る。


「さっきのテスト、織田信長なんてでてなかったわ」

「「今さらかよ⁉︎」」


 教室に僕と神の声が響いた。


 天白家は学校でも平和です(然、結局名前の書き忘れで0点。補習決定)

よろしければご意見・ご感想をお寄せください。


また、こういうネタでやってほしいみたいなものがあれば教えてくれれば幸いです

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