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夏の暑さは人をだめにする

誰もがしたことあると信じてる

 日本の夏は暑い。とにかく暑い。

 この暑さというのも湿気による暑さだ。

 日本にように四季が多彩な国というのは珍しいのだ。外人には受けがいい、そりゃ四季でいろいろと変わるからだ。

 だが日本人である僕から言わせて貰えば暑いっていうだけで死にそうだ。


「くたばれ、夏」

「そうね、死んでもいいと思うわ、夏」


 僕と然はクーラーが壊れたリビングであたかもゾンビのごとく倒れていた。

 修理業者もすぐに来れるわけではなくしばらくは待たなくてはいけないのだ。


「でもな、然、僕思うんだよ」

「なにを……」


 いつもの無表情ではあるが然も全く元気がない。おそるべし、夏!


「クーラーを壊したやつが一番悪いよな」

「そうね、母さんが一番の戦犯よね」

「いらないことを吹き込んだお前も悪い……」

「……使郎、キレがないわ」


 暑さで逆に然に突っ込まれた。いや、無理ですよ。


「氷をばら撒こうかしら」

「やめろ。後で片付けが面倒だろが」


 確かに涼しそうだけどあとでめんどくさそうなことになりそうだからやだよ。


「使郎、こう言う時は涼しくなる話をするべきだと思うの」

「然にしては珍しく建設的な意見だな。怪談でも話すのか?」


 僕は別に怪談については特に詳しくもなんともないんだけどな。


「そうね。私も怪談は詳しくないわ」

「ならどうするんだよ」

「涼しくなる単語とかどうかしら」

「ああ、なるほど。かき氷とかか?」

「そうよ、Deathとか」

「今やたらと力が入ったな!」


 ちょっと寒気したし!

「あとはハートキャッチって日本語にするとその心臓を掴み取る! って意味だと考えると朝八時三十分から戦ってる美少女達ってなかなかサイコパスな殺人犯だと思うのよ」

「お前の発想がサイコパスだよ! それに今はプリンセスだ」

「……なんで詳しいの? ちょっと引いたわ」


 なぜそこで引く? 誰が見ても楽しめる素敵なコンテンツじゃないか。


「あとはスイカ割りとかそうめん流しとかどうかしら」

「おい、怪談はどうした」


 こいつは相変わらず話題を散らかし回す奴だ。

 然は気だるげに体を起こすと僕にぼんやりとした瞳を向けてくる。


「そうね、怪談ならとっておきがあるわ」

「お前にそんな話の才能があるなんて意外だよ」

「これさ私の家族の中の長男の話なんだけどね」

「僕かよ⁉︎」


 まさかの僕の体験談を然が話すのかよ! 予想外すぎる。


「彼は家族の中でもちょっと……いえ、かなり浮いてる人だったんだけどね」

「続けるの⁉︎ というか酷いよな!」

「ある日なにを思ったのか右目に眼帯をつけ始めたのよ」

「…………」

「私は気になって彼に聞いたのよ。『どうして眼帯をしてるの?』って」


 なんだろう、背中に冷たい汗が流れてきたよ。


「彼は言ったわ。『くぅ、眼がぁ! 封じられた力がぁぁぁ!』と」

「殺せ……」

「あの時の彼を見た時、私は凄まじく寒気がしたわ」

「ただの僕の中二病の告白してるだけだろうがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

「これが私の体験した怖い話よ」

「いつの間にか僕の体験談から然の体験談になってるし⁉︎」

「消えるといいわね。黒歴史」

「確かに冷や汗というか脂汗がでたよ!」

「次の話なんだけどやっぱり私の家族の長男のはなしなんだけどね……」

「もうやめてぇぇぇぇ!」


 天白家は今日もいつも通り平和です。(精神的にダメージを受けたので僕は二日学校を休んだ)

よろしければご意見・ご感想をお寄せください。


また、こういうネタでやってほしいみたいなものがあれば教えてくれれば幸いです

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