始まりの街で始まる
こんちくわー
ちくわが食べたいです
読者の皆様、しょーもない挨拶見てくれてありがとう
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「おい、どーなってんだ?」
「知らねえよ・・・」
「何なんだよ、これ・・・」
始まりの街は尋常ではないくらいにざわついていた
それも、楽しい・・・ではなく、焦りからのようだ
それに、全員メニューを開いているようである
それを見つめて焦っているのだ
何かを探しているのだろうか?
いろんなところをタップして、公開設定になっているものも多数いるようで、街がウィンドウであふれかえっている
が、中にはこの状況で喜んでいる者もいるようで・・・
とにかく、いつも冷静な天地を含む3人全員が混乱している
予想ではあるが、この自体の原因が自分たちだと薄々わかっているからであろう
「ちょ、ちょちょちょちょちょ、何が起こってる!?」
「メニュー画面見てみよ」
わからないときはすぐ行動派の風音がメニュー画面を開く
ひと通りメニュー画面を見たあとハッとした
「・・・ログアウトボタンが・・・ない?」
「本当・・・ここにあったはずよね?」
焦る風音と天地
やはりその二人も必死にログアウトボタンを探す
直前に開いていたメッセージも見たが、原因もわからずボタンも見つからない
その二人が焦っている中で、一人は狂喜乱舞だった
「えっ、ログアウト不可なの?マジで?学校行かなくてもいい?ひゃっはあああああああ!!!!」
「アンタうるさい」
「はぅあっ」
紅凰がその馬鹿さ加減を発揮して二人のあいだのシリアスな空気を破壊、そののち天地に殴られた
何かバカをやらかすとすぐに天地に殴られる紅凰であった
しかしそれでも喜ぶのをやめず、今度は風音にも殴られ目を見開き言われた
「紅凰・・・忘れた?風音たちには・・・全国大会が控えていたということを!しかも、それが2週間後だということを!!」
「ジーザス!!!」
流石にそれは聞き逃せなかったらしい
白目を向いてガクガク震えている
今度の弓道大会はベスト3に入るぜ!!と、意気込んでいたため、大会に出られないことは紅凰の弓道人生に関わるといってもいい
多分だが。
とにかく、紅凰の目の色が変わった
本作品2回目の激怒である
・・・いや、間違えた。昨日から数えて2回目の激おこすてぃっくふぁいなりありてぃぷんぷんどりーむである
「ひゃあああああ、こんなことした奴はどこのどいつだこらあああああああ」
自分が目立っていることがわかっているのだろうか
怒ってるのはお前だけだ、紅凰
他のみんなは困っているのだ
怒っている者もいるかもしれないが、静かな怒りなのだ
気づけ、紅凰
そしてやはり天地に殴られる紅凰
すると仮想空間の空にあたる部分に・・・巨大なスクリーンのようなものが出現した
そこには文章だけが並んでいた
しかし、その文章とともに声も上空から降ってくる
『やぁ、Infinity onlineを購入、ログインしてくれたプレイヤーの諸君。君たちにはまず感謝を述べたい
君たちのおかげでInfinity onlineはリアルの世界では最人気のゲームとなり、ランキング一位、予約が絶えないよ
まぁ、君たちにとってはあまり関係のないことかもしれないけどね
そして、ようこそInfinity onlineの世界へ
君たちは今から・・・この仮想空間をでることを許さない』
「どーゆーコトだよ!」
「ここから出して!」
「俺には会社があるんだ!」
「ハロワに行きたいんだよお!」
最後のハロワ・・・仕事を頑張って欲しいものだ
紅凰は最後の発言を聞かなかったことにした・・・
無職でログインの悲しさ・・・なんということだろうか・・・
天地は何もなかったことにした・・・
こんなことしてる暇があったらハロワに行って欲しかった・・・
風音はその願望を心の奥底に隠した・・・
『そんなことは私に言わないでくれたまえ・・・このログアウトボタンがなくなるという動作は、あらかじめこのゲームに組み込んでおいたものだ。私の独断でね。そして、この動作を起こすためのスイッチは・・・始まりの平原のボスを倒すことだ。ボスを倒したものに君たちの気持ちをぶつければいいよ』
この時の3人の気持ちを紹介しよう
「(うぉえ、責められる。逃げよう)」
「(やっべ、隠れよう)」
「(どうやって謝れば許してもらえるだろうか)」
誰が誰の気持ちかわかっただろうか
わかったあなたは素晴らしい、excellent!
3人のことをよくわかっている
わからなかったあなたもgood!
きっと最後の1人が誰なのかは一目瞭然だろう
残りの二人はバカの一括りで大丈夫だ
「そんなことできるわけねーよ!」
「そうだそうだ!!!」
「組み込んだあんたが悪い!」
「あんないたいけな美少女を責められるかあああ!!」
っと、責められると思っていた紅凰たちは驚き逃げようとしていた足を止めた
天地は少し混ざっている『美少女』という単語に反応して
何かを理解したような顔をして上のスクリーンを見つめていた
そして、3人の擁護は続く
「大体、可愛い子に悪い子はいねぇんだよ!!!」
「そうよそうよ!かわいいは正義よ!」
「さらに説明をすると・・・!」
「美人だと気負っている様子がなかったので・・・!」
「彼女たちは、美女マニアたちの予想によると・・・!」
「「現実でもかなりの美人と見た!!!」」
美女マニアと名乗るこの集団、恐ろしい
『・・・そ、そうか・・・責めないというならそれで結構・・・ゴホン。君たちには、一生この世界で暮らしてもらいたい。ここは私の理想の世界だ、だからこそ開発に力を入れた。ここなら自分化主人公の物語をいくらでも作り上げることができる・・・!街の住人に必要とされる。なんでもやり放題!何度神でも蘇ることができる、なんていい世界なんだろうか・・・
君たちもそう思わないかい?』
「思うわけねーよ!」
「むしろデスゲだったらそのスクリーンを割ってるわ!!」
「リアルのストレス発散のために買ったんだよ!」
「たまにホームシックになるだろうが!」
「ジャージを着たいだろうが!!」
「弓道の大会が待ってるんですが!!!!!」
「剣道の大会に出たいんですけど!!!!!」
最後の2つはもちろん紅凰と風音が言った言葉である
『ふふ、ふふふふ・・・ならば、3ヶ月以内にこのゲームをクリアするといい。痛覚はいじることは不可能にしておいた、現実と同じ痛みだ。そして、ストーリークエストは条件によって発現するように組み込んである・・・タイムリミットは3ヶ月だ。せいぜい頑張りたまえ』
「お前、調子のんな」
「頑張りたまえじゃねぇよ」
「名乗れや」
「笑い方がキモい」
「喋り方もうざい」
『・・・GMだ。このゲームの中では絶対の存在、GMだよ』
「やっぱりいらない、うざいわ」
「絶対の存在とか言わんくていい」
「ふふ、ふふふふ・・・消えて」
『・・・』
悲しげな沈黙のあと、スクリーンは途切れた
そして、風音、紅凰、天地は決意した
「「(さっさとクリアしてあいつボコる)」」
と・・・。
「ねぇ、うちたちのパーティ名って決まってるの?」
「いや、ただのパーティでおけ」
「了解、掲示板にボス情報アップする」
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ボス情報スレ
001:SOS
スライム平原のボス発見した
ちょっとパターン調査で突っ込んでくるわ!
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074:天地
みなさん、始まりの平原のボス『ジャイアントクインビー』を討伐しました
風音がリーダーを務めるパーティのメンバー、天地です
先ほどのGMと名乗る者からそそのかされたにもかかわらず擁護していただき、心から感謝させてください
今回は皆さんとボス情報を共有するために投稿します
どうやらボスを倒したプレイヤー以外は先に進むことができないようですので
参考までにパーティでのボス戦の録画情報をアップしておきます
【動画】
そして、最後に出た女神ですが
パーティメンバーの予想では、女神の全員を救出することによってゲームクリアとなるのではないかと考えます
ご協力を宜しくお願い致します
075:みーたん
美女の気配を感じた
076:闇夜のオオカミさん
俺も感じた。来た
077:SYOYU
よくわからんけど俺も来た
078:SOS
美女パーティの頭脳担当(と思われる)が降臨した
079:69(ろっく)
動画の倒し方を見た
その上で質問をさせて欲しい
君たちは一体何レベルなのだろうか?
080:るるこ
美女と聞いて来た
動画見た。驚きの強さだった
そして、女神からの要求を断り続けた風音ちゃんに笑ったwww
あっ、スキルキャンセルも素晴らしかったです。
081:天地
ボス挑戦時は、パーティリーダーの風音が25
紅凰25、うちは26でした
現在は全員が29となっています
なので、ボスはかなり経験値が高いのかと
082:69(ろっく)
<081
ふむ、それは君たちのレベルが適正ではなかったのではないだろうか
ボスの経験値で、多くても上がるのは1~2に調整されているはずだ
だとしたら私たちでは少しきついかもしれない
083:SOS
じゃあ、人数増やしていけばいけるか?
あ、ボスのHPも上がっちゃうのか・・・
084:天地
<082
そうですね・・・うち達が規格外なのはわかっています
でしたら、適正レベルは30といったところでしょうか
085:69(ろっく)
<084
その考えでいかせてもらおう
しかし、スライムでそこまで上げるのは無理があるのではないだろうか
086:SOS
天地ちゃんたちはゴブリンに勝ったみたいだけど、しっかり攻撃が通り始めたのはどれくらいのレベル??
087:天地
<085、<086
ゴブリンに攻撃が通り始めたのはレベル7~8の間です
初期装備でした
ですので、スライムでそのくらいまで上げてからゴブリンの森に向かうといいと思います
089:69(ろっく)
<087
情報提供感謝する
090:闇夜のオオカミさん
ここまで真面目な話すぎて参加できなかった俺氏←
091:うどん
ここまでやっと追いついた
ゴブリンの森の適正ギリギリなったので行く
とりあ、臨時パーティとか募集かける
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天地はウィンドウを開き掲示板に情報を書き始めた
紅凰と風音は、次の街についての話で盛り上がっている
盛り上がる・・・という部分で女の子だなぁ、と思ったあなた
それは間違っている
会話の一部始終をご覧いただこう
「あ、これボス倒した人しか次の街いけないわ」
「え、うっそ・・・ほんとだ」
「てことは・・・?」
「くおたちが・・・?」
「「ナンバーワン、っへい!」」
「うひゃぁ、可愛いNPCいると思う!?」
「いると思う~。可愛い子からならいくらでもクエスト受けるわ~」
「パンツ何色か聞いたら答えてくれるんかな」
「聞いてみれば?」
「よし聞くわ」
かなりきわどい会話をしている
というか、仮想空間を楽しんでいるのがまるわかりなのだが
こんなことでリアルに帰りたい、という思考は薄れないとは思うが
もう少し自重して欲しい
しかし、ゲームを楽しんだもの、効率を求めるものが強くなるのは必然のことで・・・
その方向としては正しいのかもしれなかった
掲示板を初利用の天地です
掲示板に投稿するときは、その時出てくるキーボードを利用します
天地の打つスピードは早めです
そして、さりげなく天地に返信をされたSOS君は、美女発見スレで自慢しています