雪狐
昨日、「あれー、なんか今日はいっぱい読んでくれてるなー・・・」
と思ったら、二 話 投 稿 し て た ←
全然サービスとかではないです。はい。間違っただけです
気づいたのが大分あとなので・・・とりあえずそのままにしておきました・・・
くそう・・・
「はっ!」
声を上げて風音がまず切り込む
すれ違いざまの『二連撃閃』そして硬直キャンセルのために『ステップ』完全に雪狐の攻撃範囲を通り抜けた
が、雪狐にはダメージはほぼ入っておらず・・・
[クオオオオオオオオオオオオ!!!]
『クオオオオオオオオオオオン』
雪狐が『ハウリング』を使用
それに合わせて紅凰も『ハウリング』を使用した
しかし若干紅凰のスキルの方が弱く、ほんの一瞬だけの硬直
その瞬間に一番近い位置にいた風音に尻尾が振るわれる
硬直が解けた瞬間に動き、刀を盾にして受け流した。その時に雪狐の毛が数本はらりと落ちる
それを気にすることもなく追撃を行う雪狐
前足で刀を構えた風音を叩こうとする
「・・・っぐぅぁ」
それを今度は受け止める
完全に受け切ることはできずHPが削られた
そして前足を振り下ろしたまま動きの止まった雪狐に向けて『ファイア』と『ウィンド』が炸裂する
風によって勢いを増した炎は雪狐の毛を燃やした
しかしその攻撃も雪狐のHPを数ドットほど削って終わる
雪狐が自身の周りに一瞬だけ吹雪の竜巻を発生させたのだ
轟、と雪狐の周りの吹雪はそのまま風音へ向かう
風音に当たる瞬間に、大きな風によってかき消される吹雪
かなり大きなものだったために雪狐も危険な何かを感じてそこから飛び退いた
そしてその一拍後に雪狐のいた場所に薄い鉄の刃物のようなものが突き刺さった
紅凰の鉄扇だ。弓では意味がないと思い早速使ったらしい
天地も魔法を使おうとしていたのだが、一足遅かったために、その後紅凰が放った鉄扇に『ウィンド』を合わせて威力を高めた
雪狐は先ほどの風を生み出した紅凰を見ると
[グルルルルルル・・・]
全力で威嚇した
毛が逆立ち、瞳孔が開く。牙をむいて威嚇された紅凰は・・・
「・・・ガルルル・・・?」
威嚇を返していた
同じように猫っぽい瞳孔を開いて見せ、牙をむく。毛は通常の日ではないくらいに逆立って・・・もこもこしていた
「フシャぁあああああああ!!!」
そのままにらみ合うふた・・・二匹
動きを見せない雪狐にイラついたのか、猫がするように口を開いて牙を見せつけ、そのまま四足瞬歩で飛びかかった
「ばかっ、なんで近づいてるの!!」
天地に言われたがお構いなしに駆ける
雪狐まで一気に接近すると、どこからともなく取り出した・・・というより、いつの間にかアイテムポーチから取り出していた小刀を振るう
「本日のくおちゃんは万能型じゃこらあああああああ!!!!」
よくわからないことを叫びながら雪狐の鼻っ面に小刀の切っ先を近づけた
それを素早い動きで避けた雪狐はそのままの勢いに乗って回転し尻尾で攻撃。紅凰はその尻尾を、掴んだ
「弓道で鍛えられた動体視力なめんな!!」
雪狐の尻尾の根元を小刀でザックリと刺す
あまり力のない紅凰だが、小刀の切れ味などの補正もあり雪狐の尻尾に刺さった
流石にこれに耐えることはできず尻尾を掴んでいた紅凰を後ろ足で蹴り飛ばした
少しダメージを受けたものの、この間天地に言われたとおり受け流すことを覚えた紅凰はその衝撃で吹っ飛ばされたと見せかけて自分から後ろに飛んでいた
雪の壁にぶつかって、ダメージを受ける
衝撃を殺すことはできなかったらしい
「・・・い、たいんですけどぉ・・・」
雪の壁はどうやら破壊可能オブジェクトらしく、紅凰が突っ込んだところのみ深く抉れた
その雪の中から這い出してきた紅凰は狐のもこもこした尻尾で下半身に付いた雪をふぁさふぁさ払っている
耳の中にも入ったらしく気持ち悪そうに耳をぴくぴく動かしていた
雪狐の居たところを見ると、地の跡がところどころについているがそこにはおらず、周りを見回すと、丁度紅凰のいる位置の反対側に雪狐と風音が戦っていた
爪で、牙で攻撃を仕掛ける雪狐に刀一本で対応している風音
それでもダメージを負っていることから動きが間に合っていないらしい
天地も魔法をスキル『連射』により放っているが、雪狐の扱う氷魔法によって相殺される
チートスキルでかろうじて対応できている形だ
そのジリ貧の状態を、紅凰が崩す
「・・・ふっ」
鋭く息を吐き『三本一矢』を放った
その一束の矢は雪狐の背中に綺麗に突き刺さった
紅凰としては背中から心臓を貫くつもりで放ったのだが、多くの毛としなやかな筋肉によってそれは阻まれてしまう
「ひえええ、刺さっとりませんぞぉ!!」
「うおっ、ちょ、今のでめっちゃ怒ってるぅぅぅう」
風音への攻撃が激しくなったようだ
氷の塊が風音へ向かう。しかしそれを全て相殺しつつ、雪狐にも炎を当てる天地がそれを阻止
しょぼん、としている紅凰にも炎が直撃する
「早く攻撃!敵愾心をできるだけ奪っててよ!」
「ひえええ、攻撃力弱いのにどうしろと・・・!」
そう言いつつも三束の矢を強く引き絞って打ち続ける
その矢は的確に雪狐の急所を狙う。雪狐が後ろを向けば尻尾や頭を、正面に向けば目を、横からならば足や心臓の部分を狙い続ける
雪狐が動き続けることで当たらないものもあるがほとんどの矢はあたり、雪狐は片目と片耳、さらに後ろの片足を少し動かしづらそうにしながら戦っていた
それでも風音への攻撃は止まらず、風音のダメージが増えるばかりだった
風音は後三回・・・いや、二回でも直撃を喰らえばゲームオーバーだ
近距離専門で体力もかなり多くなっているはずの風音でもこれなのだ
紅凰は心底すぐ引っ込んでよかったと思っていた
[クオオオオオオオオオオ!!]
『クオオオオオオオオオオン!!!』
雪狐のハウリングに咄嗟に自分のハウリングを重ねた紅凰
しかし・・・
「・・・っく、」
風音が止まった
真正面にいたために、真っ先に音が届いて紅凰の音の相殺ができなかったのだ
目を見開いて雪狐の振り下ろされる足を見つめる風音
風音にはそれがスローモーションに見えていた
ゆっくりとその腕が振り下ろされる――――
その時、ふ、と風音が笑った
「『写鏡』」
ぶん、と風音に雪狐の腕が当たった・・・かのように見えたが、風音がいるのは雪狐の後ろだった首のあたりを浅く切りつけて離れてポーションで回復する
「っはぁー、死ぬかと思った」
「・・・スキルなん?」
「そそ、30レベルのやつな」
写鏡とは・・・つまり、鏡に映ったように今いる場所から敵の背後へ移動する技だ
便利なスキルのようにも聞こえるが、実はこのスキル、敵に攻撃される直前でないと発動することができないのだ
先ほどのようにどこにどのような攻撃が来るかはっきりわかっている状態でないと使えない
それも、少しタイミングがずれると直撃・・・使いどころの難しいスキルだ
これをとっていたために風音は一度だけ雪狐の攻撃を避けることができたのである
「もう一回使えるの?」
「うんにゃ、これ使うと3分間次の発動は無理ね」
そう言いながら天地のいる位置まで下がってきた風音は、そこでもう一度刀を構えた
ぐるる、と唸る雪狐のHPは三分の一削れている
「・・・うわぁ、まだまだだね」
「この調子で行けば必ず勝てるはずよ・・・」
「んでも、アイテムがなー」
ぱちん、紅凰が頬をたたいて気合を入れなおす
そして『三本一矢』に『爆散』を重ね掛けして『視力アップ』を使い雪狐の当てるべき場所を睨みつける
その時に音がしたが、紅凰の集中力はそれを聞き取ることを放棄して弓の弦を引き絞る
「・・・行くよ」
静かにつぶやいた
紅凰の矢は凄まじいスピードで雪狐の心臓部分へ突き刺さり、体の内部で矢が爆発した
[クォオオオォォォォオォォォオ!!]
生きとし生ける物の急所である部分に当たったことで大きく雪狐のHPが削れた
残りのHPは、ぴったり半分
どやぁ・・・と紅凰が二人を見る。その瞬間
[グアアアアアアアアアアン!!]
今までとは明らかに違う鳴き声で雪狐が哭いた
雪狐さんです
まっきーは狐が好きです
狐だからなのか、紅凰ちゃんは今回の戦闘は大活躍ですね
狐さんの毛をむしり取るシーンを入れたいと思っています。遠距離攻撃なのにどうやって取ればいいのやら