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まっきーは戦闘シーンに緊迫感を持たせるのが苦手です

むしろ無理です


紅凰が最後にゴブリンの森に到着

既に二人は揃っていて、木の陰に隠れていた



ここにもプレイヤーが多いからである

紅凰はというと・・・



「何してんのん?」


「アンタも何つけてんのよ」



紅凰は顔にお面をつけていた

お祭りで付けるような狐の面だった

それをつけて、おしゃれ装備の『十二単じゅうにひとえ』を着ている


十二単は多くの布を着るために防御力は高い。しかし、その装備の動きにくさと派手なために敵から隠れられないこと、さらに帯が腰装備に入ってしまうので、腰には何も付けることができなくなる

Infinity onlineでは腰にアイテムを装備できる

それは消費アイテムであってもそうだ

だから紅凰たちもポーションをひとつつけている

しかし、帯があることでそれができなくなるため、戦闘には向かない装備となっている



「えっ、変装」


「逆に目立つだろうが」



狐の面を殴りつけられた紅凰

そしてPK設定を変更していないために紅凰にダメージが入った



「わっ、攻撃された」



しかし僅かなダメージだったためすぐさまポーションで回復する

慌てて天地もPK設定を変更した


それを見て風音もPK設定を変更

こそこそとゴブリンの森の奥へと入っていった



____




「・・・ねぇ、いつまでその装備なの?」


「あ、装備変更するー」



やっと紅凰が変装装備を変更して元通りの格好になる

もちろん手袋とレッグウォーマーも装備している


腰装備にポーションもつけて・・・と思いきや、どうやら今回は鉄扇をつけるらしい



「それサブウェポン?」


「うん、この前矢が戦闘中になくなってねぇ」



完全にこの前の女王蜂のことである



「へぇ、風音たちのも作ってよ」


「じゃあ風音にはステッキ上げるわ」


「まじで?ありがと」



アイテム欄を覗いていたら一番上に発見したステッキを渡す

もちろんギミックは付けてある

なぜならば、紅凰がこんな鉄の棒を使いこなすことはできないからだ

使いこなせないからこそ小細工で勝負、By紅凰



「うちには何かないの?」


「えぇ~・・・魔法か・・・スロット一つしかないけどこれは?」



天地のは魔法が使えるもの、ということで限られているため真剣に探す

そうして取り出したのは、前回作者コメントで説明した(言っていいのかな)ペンである

カチカチ、とペンの頭をノックしてペン先を出す



「ペン?」


「そうそう、しかも字もかける。インクはなくならない」


「で、どのへんが武器なん?」



風音が紅凰からペンを奪って触り出す

紅凰があっ、と声を上げて、風音がん?と言いながらクリップ・・・紙などを挟むところなのだが、そこを開くと



「わっ」



ペン先から魔力弾が飛び出した



「あぁ~、そこがスイッチになってるんだよぉ」



風音からペンを取り返した紅凰

もー・・・と言いながら説明を開始した



「えっと、さっき風音がやったみたいにここを押すと魔法が発動ね。スロットに何も入れてなかったらさっきみたいに魔力弾がでるよ

で、強力な殲滅魔法は入れるとオーバーヒートしちゃうからね

使えたとしても一発でバラバラになっちゃうからやめてね

あとは・・・インクが出るよ」


「それさっきも聞いたわ」


「じゃあ、最終手段でひとつね。ピンチにならない限り使わないでね?ここの、ペンの頭のところを5秒間長押しすると・・・えっ、やらないよ?やらないけど・・・長押しすると、ここのとこにカウントダウンが出てきて・・・」



そう言って紅凰が指をさしたのはペンの頭の部分の真上

そこにカウントダウンが出るらしい



「カウントダウンの秒数は5秒ね。んで、5秒経つと、このペンは爆発します」



そう言うと、ペンを持って手をひらく

どうやら、爆発、というのを表しているらしい

しかし恐ろしいものを作ったものである



「へぇ、これ量産は?」


「んー・・・それが、なんでこんな自爆システムがついたのかわからなくてさー。わかったら作るんだけどね!」



優秀なものだと分かっていはいるものの量産はできないらしい

偶然でこんなものがつくとは・・・なかなか素晴らしいものである

と、思いきや、天地はそんなことになる原因が思い当たるらしい



「・・・それ、幸運の加護が原因じゃない?」


「なるほど」



この天地の推測は大当たりだ

紅凰が作ったペンの自爆装置は、武器を作った時に0,00000・・・と言った少ない確率で発生するギミックだ。というより、ほぼ発生しない

それも、魔法を使うためのスロットがあって、指の先から肘までの長さまでのモノにしかつかない

だから、紅凰がペンを作ったこと、それに自爆装置が発生したことはもう奇跡に近い割合なのだ

ここにはリアルラックも少し関係しているのではないだろうか


そんなこんなで自爆装置はついている


加護で付与できる効果があったり、進むストーリーがあったり・・・運営は完全にプレイヤーを困らせにきている



「・・・あ、おっきいゴブリンだよ」


「あら、ほんと・・・」



話していた紅凰たちの目の前に現れたのは・・・真っ白い、とても大きなゴブリン(?)だった



「えっ、大きすぎね?」



風音が言うのも無理はない

なぜなら、そのゴブリン(?)は三人の中で一番背の高い風音が二人・・・いや、三人は縦に並ぶほどの大きさだったのだから



「そうよね、これ、ほんとにゴブリンかしら?」


「いやぁ、ゴブリンの森だよ?ゴブリンでしょ」


「そう、かしら?」



そんな疑問は置いておく

そのゴブリン(?)が鋭いパンチを放ったためだ

そのパンチは森の木々を倒し、地面をえぐった


それを各々が避けて攻撃を開始した


まず風音は『二連撃閃』でゴブリン(?)の足を潰しにかかった

部位欠損を狙っているらしい


二つの閃光がゴブリン(?)の足に走る

その風音の剣戟は、強力なスキルにもかかわらずその足を切断するには至らなかった

それでもかなり深い切れ込みが入っているが


そしてその風音と同時に天地は『ロックガン』に『ウィンド』を合わせたものを心臓のあたりに放っていた

このとき放った『ウィンド』により先が尖っている『ロックガン』は深く心臓部分に刺さり、小さかったのもあって向こう側へと突き抜けた


紅凰はその二人より一足遅めに攻撃を放つ

二人の攻撃の方に気を行かせることによって、自分の攻撃を目立たなくしようとしていたのだ

そうして紅凰が放った二束の矢はゴブリン(?)の目に突き刺さった


これは部位破損。ゴブリン(?)の目が完全に見えなくなった



[おおぉオォおォォォオオおお!!!]



ゴブリン(?)が雄叫びを上げた

かなりのダメージが入ったらしい


HPゲージは三分の二が削れていた



「うげ、強いんねぇ」



言葉を発したのは紅凰

三人の内二人が急所に攻撃が当たったのにも関わらず生きていることが信じられないらしい



「けれど倒せない敵じゃないわ。このまま削りましょう」



天地が冷静に言い放つ

風音がその言葉にコクリと頷いて残りのHPを削りにかかった


『ステップ』キャンセルの『二連撃閃』


これを繰り返してゴブリン(?)の体に深い傷を作って行き、ゴブリン(?)に攻撃を許すことなく倒してしまった



「かざナーイス」


「当然ですのぉー」



そして初見の敵だったために、ドロップアイテムの確認をする紅凰

そしてアイテム名をみて凍りつく



「・・・あっ、今のオーガだ」


「うそやん」


「えっ、ゴブリン・・・えっ」



天地が動揺している

天地もアイテム名を確認したがなんど確認してもアイテム名は変わらない



____



・スノウオーガの牙×2

・スノウオーガの角×1

・スノウオーガの目×3



____




「あれ、目三つも付いてた?」


「さぁ・・・?」



とにかくさっきのゴブリン(?)はゴブリンではなくオーガだったらしい

ここはゴブリンの森ではないのか、と疑問に思った方もいるだろう

説明しよう、ここは既にゴブリンの森ではない

ゴブリンたちがいた、紅凰たちがレベル上げをしていたところはゴブリンの森で間違いない

しかし、奥へ進んだことでエリアも変わったのだ


先程から雪の振っているこのエリアは『巨大獣の雪森』となっている

そして巨大獣というワードから分かるようにここには大きなモンスターしか生息していない


そして、その巨大獣が多く現れることもある・・・気をつけなければいけないフィールドなのだ



「・・・帰る?」


「帰る」



不安な感じを覚えた一同は、街へ帰還することに決めたらしい

帰還石を使って戻ろうとした


そう、戻ろうとしたのである・・・が



「あっれぇ・・・アイテム使用不可エリア?」



紅凰が言ったアイテム使用不可エリアという言葉

そのままの意味で、アイテムを使用できないエリアだ


しかし先ほど風音がポーションを使っていたのだが・・・。それを覚えていないのだろうか?



「待って、風音がポーションを使っていたわ・・・ここは、帰還不可エリアよ」



そう、ここは帰還石、及びそれに準ずるアイテムが使えないエリアなのだ


ゴブリンの森に戻ればそんなことはないのだろうが、ゴブリンの森に戻ることも困難となっている


理由はひとつ、ここに来るまでに通った・・・というより、渡った橋を全て壊してしまったからだ

不可抗力ではあるが、紅凰達が渡りきった瞬間に橋は壊れた。そういった仕掛けがされていたのだろう



「つまりこれは、死に戻りかボス戦勝利ってことか?」


「そうね、多分だけれど・・・」


「んじゃ、倒す?」



と、まぁこんな感じでボスを倒すことになった風音御一行

ちょいちょいモンスターを倒しつつ先、多分先だと思われる方向へ進む



「いやぁ、フィニオンに満腹度とかがなくてよかったね!」



満腹度があれば紅凰たちはとっくに餓死して死に戻りだっただろう

食料も何も持ってきていないのだから



「どうでもいいから先に進むわよ」



黙々と歩いていく天地

とりあえずボスを倒す方向で進めているわけだが、さっさと倒して帰りたいらしい

先程からさくさくと敵を倒して進んでいる

ちなみに敵はオーガだけではなかった

それはそうだ、オーガの森ではなく巨大獣の森なのだから


出てきたのは巨大なモグラと巨大な鳥だった。どちらも色は白

雪が降っているからだろうか?



「これはボスも氷だな」



風音が確信したようにつぶやいた



果たして、風音の予想はあたっていた




[クオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!]



「・・・」


「・・・」


「・・・」



三人は沈黙、いや・・・二人はチラチラと紅凰の方を見ている


紅凰はその沈黙に耐え切れず・・・



「く、『クオオオオオオオオオン』!!」



ハウリングを使用した

さて皆さんお気づきだろうか。鳴き声で分かった方もいるのではないだろうか・・・そう、このエリアのボスは『雪狐ゆきぎつね』だったのだ



「違うもん!くおは狼狐だもん!!!」



こうして雪の降る中のボス戦は始まった




次回はボス戦です・・・さて、みんなのサブウェポンができました

風音の武器のギミックについて説明させていただきます


まず、剣になります。ONEPIECEの骨の方の武器みたいな感じです

そして、傘になります。さらに、ステッキで地面などをこつこつ、と2回叩くと巨大な剣になります

こんな感じですね。もちろんペンもステッキも紅凰ちゃん印なので装飾がおしゃれです



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