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目的

一日あけてしまってすみませんでした

急いで作ったので誤字脱字あるかもしれないです・・・

御手数ですが、感想から注意お願いしますm(_ _)m



「紅凰ちゃんきかーん」



王都のワープ地点に降り立った紅凰

両手を挙げて帰還宣言


周りを見渡し、プレイヤーが多くいるのを確認する

しかし少し不満気だ

どうやら初ボス討伐で動画をあげたのに誰にも声をかけられないのが不満らしい



「む・・・鍛冶場いこーっと」



諦めてトボトボと鍛冶場へ向かう

さっさと自分の道具を作ることに決めたらしい


作るのに必要な材料がちゃんとあるか確かめて、作りたいものを頭の中で完成させつつ歩く

ぼんやりしているようにも見えるが、人通りの多い王都の商店街を人にぶつかることなく歩いてゆく

するりするり、人を避ける紅凰。無理な体勢から避けることもあるのでその時の動きが少し気持ち悪い


結局誰にもぶつからず鍛冶場に到着



「おじさんこんにちはー」



そして鍛冶場に入っていく

王都の人は多くなったが、鍛冶場のなかは結局おじさん一人だ

理由はもちろんゲームだからである。この鍛冶場の中ではほかのプレイヤーとは出会わない


パーティメンバーは別だ

同じルームに行くかどうかを選択することができるようになっている



すたすたと自分の使う炉の前に座った紅凰は、材料を次々と取り出して、目の前に現れた『何を作りますか?』という問いに対して

『防具』と選択


そう、紅凰は防具を作ろうとしていたのだ


何を隠そう、鍛冶スキルは何故か作ったものを布にすることができる

紅凰はそれを作ろうとしていたのだ



「んと、まずは女王蜂の羽と・・・子分蜂の羽を合成ね・・・」



[ハニービーの羽×25をジャイアントクインビーの羽に合成します]

[完成、秘蜜蜂の羽]



「次次―」



[トレントの枝×3をジャイアントクインビーの針に合成します]

[完成、女王蜂の布]



「おっふ、どうしてこの二つから布が・・・」



そんな感じでどんどん合成

最終的に鍛冶でとんてんかんかんする



「するとー・・・てってれー、女王蜂の手袋と女王蜂のレッグウォーマー!」



残念ながら材料が少なかったために最低限の防具しか完成させることができなかった

手袋は、紅凰が四足瞬歩で走るときに手が痛かったからという理由で作ってある

ついでに、HPも少し減っていた

これは手袋をつけなければ!となったわけだ

そしてレッグウォーマーは、少しでも防御力をアップさせるためである


追々ほかの部分も作るつもりのようだ



さっそくその2つを装備



「・・・ダサ、い・・・?かな?」



暗い黄色と黒の二色で構成され、所々紅凰のつけた装飾が入っている二つの装備は、ほかの部分がシンプルすぎるだけに少しばかりバランスが悪く見える


しかし、紅凰はそんなこと気にしない



「まぁいっか。防御力あっぷあっぷー」



鼻歌を歌いながら天地たちのいる宿へ向かう

部屋に入ったら当然のように自慢するのだろう




____



「てん、かざー!見てみよ!くおちゃんの防具を!」


「うわバランス悪い」



天地がばっさり紅凰の心を折った

紅凰は遠い目をして、そう言うと思ってたよ・・・とつぶやいた


風音はそれを見てただ眺めるだけ

まぁ、悪くは思っていないようだ



「てゆーか、思い出したんだけどさー」



風音がわざとらしく拳を手のひらに当てて言葉を発した

天地も紅凰も何を思い出したのか見当もつかないらしい


しかし、君たちは忘れているぞ



「風音たちの優先するべきことって現実に帰ることじゃね?」


「「・・・あっ、」」



ふたり揃ってアホみたいな顔を作って小さく声を上げた

そう、現実に帰るという目的を君たちは忘れていただろうが


天地が頭を抱えた、自分の失敗が信じられないらしい



「あぁあぁ、いくら紅凰に流されたとは言え・・・」



しっかりと紅凰のせいにしているあたり天地らしい

そしてその隣のきりりとした顔の紅凰



「・・・反省も後悔もしていないです!」



天地に殴られた

天地の顔が般若のようになっている、怖い


そのまま天地のお説教タイムが始まった。内容はきっちりプランを決める、だとか、計画がうんたらかんたら・・・とか

そんな感じのことばかりである


ちなみに言うと天地はA型だ



「だから・・・聞いてんの?」


「聞いてますっ」



天地の言葉が右から左に流れていた紅凰だが、視線がこちらに向いた瞬間正座をして姿勢を正した

習字のお手本のような姿勢だ



しかし天地が拳を握って目を閉じて、力を入れて説明をはじめると途端に力が抜けてぽやっとした顔になった


そして天地のお説教にも熱が入ってきて・・・



「そうよ!現実に帰るのよ!そのためにも遊んでいる暇はないわ!」



そんなことを延々と語ろうとしているのでそこで紅凰が中断させる

言葉巧みに天地に語りかける紅凰



「うん、わかったよ・・・つまり真剣にゲームをすればいいんだね?」


「そうよ!そうなのよ!」


「くおはずっと真剣だよ?鍛冶もみんなの装備を最高にするためにやってるんじゃない」


「でも、そんなことは生産職に頼めば・・・」


「甘い!二人を一番理解してるのはくおだよ!二人にピッタリな装備を作れるのはくおだけでしょ?」


「でも、しっかりそれも伝えて作ってもらえば・・・」


「それは違うよ!日頃の戦闘を見ることで職人に伝えられないところまでくおが作るんだよ!」


「そ、そうなの・・・?そうね、細かいところはやっぱり、そうよね・・・」


「そうだよ!だから、鍛冶も必要な事なんだよ!嫌なら二人は生産職取らなくてもいいし・・・」


「うん、わかった・・・くおはそのまま鍛冶を続けていいわ!」


「てん!ありがとう!」



こうして天地はしっかりと紅凰に丸め込まれ、紅凰の鍛冶を許してしまうことになるのだった

天地を説得するためのポイントは、自分ひとりに必要だというのではなく、みんなに必要だということ

言葉の強弱をつけて、不利な部分の印象を薄くすること

さらに、途中で不安そうな顔をすることで天地の良心の部分を刺激

もうここまで来たら余裕だ

そこからは天地の納得の言葉を待って、最後には満面の笑みでありがとう。これで天地は攻略完了である



「じゃあさ、スライム平原はまだしっかり探索できてなかったじゃん?」



ここで風音が口を挟む



「ゴブリンの森も探索行かない??」


「さんせー、新しい素材欲しいー」



紅凰はもう完全に鍛冶思考になっている

戦う気はあるのだろうか



しかし黙々と矢を作っているところを見るとしっかりと戦闘に参加する気はあるようである


そして紅凰の準備ができるのを待って、ゴブリンの森へ向かった

しっかりポーションもたくさん買ってある

入り切るだけ買う・・・常識だ



しかし、動画もしっかり掲示板に上げているのだ

三人が揃って目立たないはずがない


紅凰が気づかれなかったのは奇跡だ



そして現在、そう言った理由もあり・・・風音たちは全力で追いかけられている



「ひゃぁーこれはまたすごいねぇ」



紅凰が楽観的につぶやいた

自分が気づかれなかったのがまだ残っているだけに若干イヤミも入っているのではないだろうか

現に、少しむすっとした顔で走っている



「しょうがないから・・・バラけるわ!」



先頭を走っている天地が振り返って叫んだ

それに対して二人は「了解~」と返す

それを確認すると突然天地が街中で魔法を使った



「『ウィンド』」



すると天地のスピードがぐんと跳ね上がる

天地は『ウィンド』の魔法を応用して自分の後ろに風を発生させて走り去ったのだ



「くお達にもしてくれたらよかったのにねー」


「まぁいいじゃん、っと・・・また後でなー」



風音は『ステップ』『脚力アップ』さらに上に向かって『二連撃閃』を使ってさらに上に、そして屋根に飛び乗ってそのまま紅凰やプレイヤーの視界から消えた



「ひゃーくおだけおいてけぼりなの?」



そんなことを言っているが割と余裕そうである

ちらっと後ろを見て人の波を確認すると、そこに向かって突っ込んでいく



「・・・っと、『ハウリング』『四足瞬歩』『蹴り』『ステップ』」



順番にスキルを発動させて硬直を消しつつ人の間を抜ける

蹴りは『地面を蹴る』という方向で発動だ

『ハウリング』で全体の動きを止めた瞬間にそれを行ってみせたのだ


紅凰が間を抜けていったために混乱したプレイヤーたちは既に自分たちの間を抜けて路地へと入っていった紅凰に気づくことなく紅凰を探し続けた


あえてこうすることでほかの二人を追わせないようにしたあたりは流石だった


ちなみに街中でのスキル発動をするにはフレンドリーファイアの設定解除・・・つまり『PKプレイヤーキル設定』の解除である


そして自分は攻撃があたってもダメージを受けない、というところを利用して天地は駆け抜けたわけである



とりあえず、三人とも人の波からは脱出が完了したのであった





そうです、Infinity onlineには『PK制度』があります

そのうちPKキャラも出す・・・つもりです

つもりです。期待しないで待っていてください

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