DAY 2
外はまだ薄暗いようだ。時計を見るとまだ6時を回ったぐらいだった。寝返りを何度も打って眠れる体勢を探してはみるものの眠ることが出来ない。眠気がないわけじゃないんだが、今日から若葉が俺を起こしにきてくれると思うと楽しみで楽しみで眠れないんだ!
だが、このままもしも眠れずに朝を迎えてしまったとしたら、きっと俺の頭はぼーっとしていて、若葉を襲ってしまいかねない。楽しみではあるが、でも、襲うなんてそんなことをしてしまったらきっともう口も聞いてもらえなくなってしまう。
というよりも俺が若葉と口を聞けるような場所に居られなくなってしまって、少年院の壁のシミをみながら「あ、なんだかこのシミって幼女が砂遊びをしてるみたいだ……ぐへへ」なんていうことになりかねない。
さすがにそれは勘弁願いたい。こんな時は数字を数えればいいんだ!
「幼女が一人。幼女が二人。幼女が三人……幼女が……」
「ねぇねぇヒロくん。今日は何をして遊ぶの?」
小さいリンがいる。ただでさえ小さいリンが今日はいつにも増して小さい。小さい小さいリンは元気いっぱいで、楽しいこと、面白いことをしたいと思う純粋な存在だった。
自分自身の手を見てみると縮んでいた。どうやらここは夢の中らしい。気づいて寂しい気持ちになった。
夢から覚めてしまったらいつも通りのリンがいる。昔のリンはもういなくなってしまった。ただ、小さいだけじゃなくて、心から純粋なロリっ子。ああ、なぜあいつはあんなやつになってしまったんだろう……。心はもう嫉妬深いおばさんそのものだ。
夢の中だからだろうか?感情が抑えきれなくて涙が溢れる。
「ヒロくん。泣いてるの?」
そんなボクのかおをリンがのぞきこんでいた。
「泣いてないよ」
そういってわらってみたけど、ボクはほんとうにわらえているのかな。
「痛いことがあったのかな?」
リンはボクのあたまにてをおいた。リンのてはちいさいけれどとてもあたたかい。
「痛いの痛いの飛んでけ!」
そういって、リンはおおきくてをひろげた。
「治った?」
くびをかたむけてボクのかおをのぞきこんでくるりんはしんぱいそうなかおをしていた。
「うん、もうだいじょうぶだよ。ありがとう」
ボクがそういうとリンはにっこりえがおで、いつのまにかめのまえにひろがっていたはなばたけへはしっていく。りょううでをめいいっぱいにひろげて、ぜんぶぜんぶだきしめるみたいにはしっていく。
だんだんとちいさくなっていくりんをみていてボクはさびしいきもちになった。
「リン、ボクをおいていかないで!」
おおきなこえでリンをよんでみるけれど、リンにはぼくのこえはきこえていないみたいだ。
ボクははしった。
リンにおいつけるようにいっしょうけんめいはしって、はしって、はしってそれからそれからかぜがふいてきて、めをあけることができなくなってしまってせかいがまっくらになった。
はぁはぁと荒い息が耳に響いた。走ったせいで息が荒くなっているのかと一瞬思ったが、あれは夢だったと思い直して目を開けるとリンがいた。
リンが俺の布団の中に入りこんで俺に抱きついて荒い息を吐きながら焦点の定まらない瞳で俺の方を見ていた。
「はぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁ……ぁ……」
リンを突き飛ばした。
ベッドの下に落ちてしまった表紙に頭を打ったようだが俺はそんなことを気にしている余裕はなかった。
「何してるんだリン!勝手に入ってくるなよ馬鹿!」
「ヒロくんが呼んでたんだよ?私に”おいていかないで”って言ってたよ。私はヒロくんのこと置いていったりしないよ」
寝言で言ってたのか?それにしてもいきなり布団の中に入ってくるって何を考えてるんだ。夢の中ならわかるがいきなりそんな状況になるなんてありえないだろう。こいつは何を考えてるんだ。
「そんなことは知らん。着替えるから外で待ってろよ。なんでここにいるんだ?」
「お母さんがいれてくれたよ。ヒロくんが起きないから私に起こして来てって……」
あのババア!勝手なことしやがって、まじで勘弁してくれよ。朝からこんな状況なんてありえない。少し息子が元気になってるのが嫌でたまらない。
「着替えるから外に行っててくれ」
「うん。それじゃ待ってるね。うふふ。ヒロくんってやっぱり私から離れられないんだね」
リンが出ていく時に閉じたドアの音がやけに大きく聞こえた。
俺がリンから離れられない?馬鹿なこと言うな。それはお前だろ。
しかし、あんな夢を見るとは思わなかった。昔のリンは確かに可愛かった。今のリンも容姿だけなら可愛くないわけじゃない。だが、あの頃のリンとは違い過ぎてとてもじゃないが今朝のような異常な行動が目立つようになったリンのことをどうしても好きになることは出来ない。
いつかリンに監禁でもされてしまって、毎日餌だけを与えられるような家畜のような生活をさせられるんじゃないだろうか、もしそうなってしまったらと考えると体が震えてしまう。
突然チャイムが鳴って思考が断ち切られた。
こんな朝早くから訪ねてくる人間なんていないはずだがと考えて思い至った。
「そうだ、今日は若葉が俺を起こしに来てくれるはずだった日じゃないか!」
若葉が俺を熱いキスで起こしてくれるという最高の朝になるはずだったのに、監禁されてしまうかもしれないなんて考えなきゃならんほど最悪の目覚めになるとは思わなかった。
しかし、まだチャンスはあるはずだ!
俺はベッドに潜り込んだ。
きっと若葉は真面目だから俺がしばらく出てこなけば起こしにきてくれるに違いない!あんな最悪の朝の目覚めはやり直しだ!
そのまましばらく待っているとドアの開く音がした。よし、計画通りだ。俺はにやけそうになるのをどうにか押しとどめながら奇跡の瞬間を待つ。
無心だ。何も考えるな。小さい若葉の唇が俺のほっぺに触れて「起きないから驚かせるためにやっただけなんですからね!」なんて真っ赤な顔をしながら言われた日には我慢できずに押し倒してしまうかもしれない。まぁそれもいいだろう。朝にあんなことがあったんだから少しぐらい高望みしたっていいじゃないか!
「ヒロくん。若葉ちゃんも来ちゃったし早く起きた方がいいよ」
「だよな。そんな上手い話があるわけないよな」
入ってきたのはリンだった。そんな可能性があることを予想していなかったわけじゃないが、なんだろう。逆の意味で予想通り過ぎて、あまりにも夢がなさ過ぎて全てがめんどくさく感じる。
気だるげにベッドから出ると若葉がドアの外に立っているのが見えた。
「天崎くん、早くしなさ……ってあ……あ……あ……」
「ん?」
若葉が慌てた声を出して顔を真っ赤にして俺の方を指さしている。
その指の先を視線で追ってみると俺の穿いているトランクスにぶちあたった。
「はは……。ごめんな。今起きたから。すぐに着替えるから外で待っててくれ」
若葉はすぐにドアを閉めた。
「…………」
「いや、リンも出てけよ!」
じーっと俺のトランクスのそれもちょっともっこりとなっている部分をまじまじと見ていたリンの背中を押して外に出して着替えを終えた。
朝から色々とあったが、今日は若葉と一緒に学校まで登校出来る。そうだな。この素晴らしさを五、七、五の俳句にしてみよう。
「小さい子 ああ小さい子 小さい子」
「おまわりさ~ん!おまわりさ~ん!」
「すみませんでした!!」
くそ!なんてことだ。あまりにも幸せすぎて気が緩んでしまっていた。引き締めなければ本気で警察を呼ばれかねない。
「冗談だ。ただ、若葉と一緒に登校できることが嬉しくてついつい五七五で気持ちを現してみただけなんだ」
「気持ち悪いんでしゃべらないでもらえませんか?」
「そこまで言うことないじゃないか?」
今度は言葉もなしに嫌そうな顔をよりいっそう濃くしてロリは俺から離れていった。
「ヒロくんあんまり人前でそういうことを言わない方がいいと思うよ」
お前は俺のベッドに勝手に潜り込むような事はやめた方がいいと思うよ。
「言っても無駄なんじゃないですか?それにしてもよくリンさんは平気ですね。変なことされたりしたことありませんか?もしそんなことがあったら私に言って下さいね。この変態をすぐに牢にぶちこんであげますからね」
嫌われたもんだな。ロリコンっていうだけでここまで言われなきゃいけないのか?否!俺はちゃんと自制のできる良いロリコンなんだ。しかし、世間は何故こうも冷たいのだろうか。
まぁどうでもいいか、小さい子と一緒に歩くなんていう降ってわいた幸運を堪能しようじゃないか。はぁ、やっぱり可愛いよな。小さいのに一生懸命俺の歩幅に合わせてちょこちょこついてきてる……。
「何にやにやしてるんですか?こっち見ないでもらえませんか?」
「見るぐらいいいじゃないか!何かしたわけじゃないんだし!」
「どうせいやらしいことでも考えてるんでしょう?やめて下さい。本当に気持ち悪いんで」
ダメか、こりゃ本気で嫌われてるな。
それにしても、こんだけ嫌われてるのに監視をするなんて真面目過ぎる気もするな。もしかして、実は心の中では俺ともっと仲良くなりたいと思っていたが、恥ずかしくてそんなことは言えなかったけど監視をするということにしたという奥ゆかしい心から来るものなんじゃないだろうか?
それが違ったとしてもこんなに嫌がってるんだったら他に方法を考えても良いはずだと思うけどな。
警察という大事になることが嫌ってことなら教師に相談したら良いことだし、親に相談だってできるはずだ。
「なぁ若葉」
「なんですかロリコンくん」
ちびっ子にロリコンって言われるとなんかぞくぞく……おっといけない。今はそんなこと考えている場合じゃないな。
「なんで俺のこと監視なんてするんだ?」
俺がそう言うと若葉はリンの方を一瞥した。
「あなたに何かあったら悲しむ人がいるでしょう。そういう姿を見たくないだけです。だから私の中だけで止めておきたいんです」
「若葉……。頭をなでなでしてもいいか?」
「……」
「すみませんでした」
「天崎くんってどうしてそう……変態なことを言うんですか?」
「変態じゃねぇよ!ロリコンだよ!」
「もう……。私は真面目な話をしてるんですよ。天崎くんだって普通に人生を送りたいんですよね。周りから変な目で見られたりしたくないですよね。私には小さい子が好きだっていう考えが私には理解できないですよ。それは赤ちゃんは可愛いって思いますよ。でも、それってただその時に一時的に思うだけですよ。恋愛対象とか、その……性の対象にみたりとかそういう事はないと思います」
「別に幼女とエッチしたいって思ってるわけじゃないさ。一緒にカフェでお茶したり、流行りの店に行ってみたり、動物園に行って動物を観たり、映画に行って映画を観たりしたいだけだ」
「それって同年代の人じゃダメなんですか?」
「俺は若葉ならいいぞ」
「私は嫌です。でも、天崎くんのことが好きな人が近くにいるかもしれませんよ」
「話をすり替えるなよ。俺をじゃなくて俺が好きな奴の話だろ?俺は若葉のこと好きだぞ」
「軽いですよね。全然心に響きません」
本心なんだがなぁ。まぁこれが恋愛かどうかと聞かれると難しいところはあるかもしれんな。
「ねぇ、ヒロくん。早く行こうよ。遅刻しちゃうよ」
リンの目が据わっている。正直かなり怖い。若葉を見ると若葉も若干引いていた。
「ええそうですね。早く行きましょう天崎くん」
それから速足であまり話もせずに若葉が元気に歩いているのを堪能して学校へ向かった。
「ごめん、ヒロくん。いい?」
いつも通りリンの上履きをとってやる。
「天崎くんもやさしいところがあるんですね」
若葉がそんなことを言ってきた。
「ああ、これね。これは優しさじゃない義務だ」
「義務……ですか?」
「いや、何でもない。早くいかないと遅刻するぞ」
そう言って俺は有無を言わさず先に教室へと向かった。
後から若葉たちもすぐに続いてくる。
「若葉はファミレスで赤ちゃん用の椅子に座ったりするのか?」
「何言ってるんですか?」
そんな日常会話をしながら過ごしているうちにいつの間にか放課後になっていた。
授業は基本的に真面目に受ける。授業中にやってればテストの前に勉強しなくてもそれなりの点がとれる。家に帰って宿題以外に勉強はしない。ただでさえ高校の放課後の時間に幼女と遭遇するということは少ないのだから勉強なんてやっていたら幼女に出会えなくてロリ成分を吸収できなくて死んでしまう。
今日は帰りにどこに行こうか……。公園にはいくと言ったらきっと若葉は反対するだろうな。
俺がいろいろと考えていると若葉から声をかけられた。
「天崎くん。まだ何かやることがあるんですか?無いんだったら早く帰りませんか?」
若葉はちびっ子なんだが、だがしかし幼女はまた別だ。ロリっぽいだけで正確にはロリではない。本物のロリ成分を得られるわけではない。
「なんで私のことをじっと見て黙ってるんですか?気持ち悪いですよ」
「いや、なんでもない。帰ろうか。ああ、ところで俺は途中で用事があってよりたい場所があるんだがいいか?」
「……公園以外だったらいいですよ」
「ああ、今日行くのは公園じゃない。駅だ。駅にある喫茶店に行くんだよ」
「それなら別にいいですよ。でも、駅に喫茶店なんてありました?」
「穴場なんだよ。少し古いが中は綺麗にしてあるぞ」
若葉はそうなんですねと言って鞄を持ちあげていた。
歩き始めると後ろからリンも一緒についてくる。今日はどこにも寄らないようだ。
「ヒロくん、あのお店ってショートケーキが美味しいよね」
「そうなんですか!?」
若葉が思いのほか食いついてきた。どうやら甘い物には目がないらしい。
「それは楽しみですね!私、ケーキ大好きなんですよ」
「若葉ちゃんはショートケーキが好きなんだね。ヒロくんはあのお店のチーズケーキが好きなんだよね」:
「まぁな。でも、別にあの店だからっていうことじゃないぞ。俺はベークドチーズケーキが好きなんだよ」
「他のところにはおいてないもんね。あ、そうだ。ヒロくん。私今度作ってくるよ」
「わぁいいですね。良かったですね。天崎くん」
「まぁ、まずくはないからな。食ってやらんでもないぞ。まぁとりあえず店までいこう」
店についてまず俺は喫茶店におばさんがいるかどうかを外から確かめる。もしも、おばさんがいなかった場合は外れだが、今日はいるようだ。
「いらっしゃいませ」
「あ、お兄ちゃんだ!」
そう言って幼女が走ってくる。
「舞だめよ。お兄ちゃん迷惑かけちゃ」
「いえ、大丈夫ですよ。別に俺は構いません」
爽やかな笑顔でそう答えた。
「そういうことですか……」
若葉は呆れた顔をしていたが、そんなことはどうでもいい。どうでもいいんだ!
「舞ちゃん、お兄ちゃんと一緒にケーキ食べようか」
席に着いてそう言うと舞ちゃんは走ってきて俺の膝の上に座ってくる。
「おかーさん。お兄ちゃんチーズケーキ食べたいって!」
「舞、ダメでしょ。それはあなたが食べたいだけでしょ」
「お兄ちゃんはいつもチーズケーキだから今日もチーズケーキだよ」
「ああ、舞ちゃんはよくわかってるね。すみません。チーズケーキとコーヒー。後は……」
「私はヒロくんと同じもの下さい」
「えっと、それじゃ私はショートケーキとレモンティーをお願いします」
「はい。わかりました。本当にごめんなさいね。天崎さん」
「いえいえ、いいんですよ。舞ちゃんの元気を分けてもらいにきたようなもんですからね」
若葉のうわぁという顔が目に映ったが無視した。
舞ちゃんとのふれあいの時間を堪能していると瞬く間に時間が過ぎていった。
「それじゃ舞ちゃんまたね!」
「うん、お兄ちゃん。また遊びにきてね!」
ばいばいと手を振る舞ちゃんと名残惜しいが別れて帰路につく。
「いやー!今日一日も良い日だったなぁ。ははははは!」
「そうですか……」
「本当に最高だったよ!朝は小さい若葉が迎えに来てくれるし、放課後は舞ちゃんとたくさん話ができたからな!今もこうして若葉と帰ってるし、最高の一日だな!」
朝に何かあったような気がしたが考えないようにしよう!
「はぁ……。そうですか」
「なんだよ。そんな溜息なんて出すようなことじゃないだろ。それに今日一日一緒にいてわかっただろう?」
「何がですか?」
「俺が誘拐事件を起こすような人間じゃないってわかってくれただろ?」
「何言ってるんですか……、より一層疑惑が深まりましたよ」
「え?なんで?俺は別に舞ちゃんと普通に遊んでいたでけじゃないか?」
「普通は小さい子と遊びたいために喫茶店に通いつめたりなんてしないんですよ。あの人があんなことするなんて思ってませんでした。いい人だったんですけどって舞ちゃんのお母さんがインタビューを受けている姿が目に浮かびます……」
「だから、ただ俺は遊んでただけじゃないか?なんでそれがダメなんだよ。わからんなぁ」
「わかりました。天崎くんは私と考え方が根本的に違うみたいです。ちゃんと真人間になれるように私が指導しますからね」
生暖かい目で見られた。
「とにかく、もう帰りましょう。私は明日からのことを考えておきます」
「明日も朝から来てくれるのか?」
「当たり前じゃないですか、危険な人間を野放しにはしておけませんよ」
「酷い言われようだな」
「そうですね。あなたにとっては普通なのかもしれませんね。でも、それって普通じゃないんですよ。だからちゃんと矯正しなきゃいけません。とりあえず今日はここまでです。もう家の前まで着きました。それじゃまた明日。リンさんもまた明日。何かあった時は連絡くださいね」
「何かってなんだよ!」
「うん、ありがとう。でも、大丈夫だよ。ヒロくん優しいから」
「ああそう。それじゃリンもまた明日な」
「うん、ヒロくんまた明日」
玄関の前で二人と別れて部屋に戻り、今日一日を振り返ってみる。ベッドの中にリンがいたのには恐怖したが、一日を通してみたらそんなに悪くなかったかもしれない。いやまぁ、今後一切リンを家にはあげないようにと母親には釘をさすつもりだが、ともかく今日は良い一日だった。
そういえば、朝は驚いたが、今日はほとんどリンと話をした記憶がないな。若葉と一緒だったからだろうか?
リンの部屋
ヒロくんは私が必要なの。やっぱり私じゃないといけないの。寝ている時に私のこと呼ぶぐらいなんだもん。私のこと好きなんだよ。ヒロくんは私のことが好き。そうじゃないとおかしいよ。寝てる時に言うことって本心だっていうもんね。若葉ちゃんが朝から迎えに来るって言ってたから早くヒロくんの所に行こうって思ったんだし、若葉ちゃんんは感謝しないといけないかな。でも、ヒロくんに嘘でも好きって言われてたのは嫌かも。なんでヒロくんあんなこと言うのかな。私のことが好きなのに、照れ隠しなのかな?だからかな?いつも照れ隠しをしてるだけだよね。でも、もし本気だったらどうしたらいいのかな?二股っていうことになるのかな?ううん、違うよね。若葉ちゃんのことが好きなんて嘘だよ。ヒロくん、まだ私にだって好きだって言ってくれてないのに、それなのに若葉ちゃんに先に本当に好きだって言うわけないよね。本気の好きは私のためにあるものなんだから若葉ちゃんにあげない。絶対あげない。でも、どうしてヒロくんは私のこと好きって言ってくれないのかな?お互い両想いなんだから言わなくてもいいのかもしれないけど、でもやっぱり言葉で欲しい時もあるし、ちゃんと好きっていってもらいたいよ。ヒロくんヒロくんヒロくんヒロくん……。