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世界で一番の隣
起こってしまったものはしょーがない。
今まではこんな風に流してきた。
でも今回は無理そうだ。
隣が遼君じゃね。
これじゃ、授業集中できないよ。
替えてもらおうかな。
別に遼君は困らないでしょ。
「文句ある人ーーーー?」
文句ってw
「あのー」
「奇遇だね」
うちは、挙げようとした手をすぐに下げた。
「そ、そうだね」
遼君に初めて話しかけられた。
きっと、うちの顔は今、真っ赤だろう。
奇遇過ぎるよ。
「あ、一番後ろ見ずらい?」
「いえ全然」
全然見ずらくないです。
隣にいれるんなら全然。
「よろしくね」
「よ、よろしく」
よそよそしい。
でも……嬉しい。
このまま、ずっと席替えしなければいいのに。
ここがいいから。
でも…………
陽希はいい顔しないだろうな。
でも、すこしくらい、
隣にいさせてね。