世界で一番の運
ピピピピピピピピピピピピピピ
目覚まし時計が鳴り出す。
カチリと止めて、起き上がった。
本当は目覚まし時計が鳴る30分前に起きていた。
昨日の今日で寝れなかった。
当たり前だ。
「ゆずー」
「起きてるよ」
おかあさんが来る前にいった。
「そう」
とたとたと、階段を降りる音がした。
のんびりしてたら遅れるわ。
さっさと準備して一階に降りる。
「いってきまーす」
静かに外に出た。
空はどんよりしてて、雨が降りそうだ。
今のうちの気持ちみたい・・・。
ガララララ
「おはよー」
クラスには10人ぐらいいた。
「おはよう!ねえねぇ、陽希ちゃん付き合ってるっ
て本当?遼君とだっけ?」
入ってきて早々、金沢 紫音に聞かれた。
クラス委員長でうるさい子。
可愛いけど頭は・・・w
あんまり好きじゃないのよね。
「そうなの?!」
周りの人たちも参加してくる。
うちからいっていいのだろうか。
「ほ、本人に聞いたら?」
「それもそうね」
結構あっさり引いてった。
答えられなかった。
認めたくないっていう気持ちがあるんだろうな。
キーンコーンカーンコーン……
いつの間にか、ショートホームルームが終わってい
た。
「よーし、今日は席替えするぞー!!」
………………はぁ?!
急過ぎだろ。
こんなに近くにいるのに。
離れちゃうじゃん。
40人も居る中、同じ組み合わせになる確率は低い。
むしろ、ならない。
この、熊五郎め(担任の名前)
「くじ引きでいいな」
よくねーよ。
あーでも逆に離れた方が楽か。
んじゃ、離れましょうか。
レディーファーストってことで、女子の一番から
引いてった。
陽希は………きっと………
「19」
紙にそう書いてあった。
3列目の一番後ろか。
んじゃあとは、前か左が気になるな。
どんどん名前が書かれていく。
前は、仲原さんか。
初めてだな。
左、26番は………
………………………遼……君。
不運なのか幸運なのか。
最悪なのか最高なのか。
離れる予定だったのに。
神様、あなたはいたずら好きですね。