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アタシの、本当の、気持ち(22)
私が大学受験をする年の、9月。
「9月 〇日
良い知らせと、悪い知らせがあった。
良い知らせは、バカ娘の高卒認定合格、
一足早い高校卒業おめでとう。
悪い知らせは、シュンの娘が病気で亡くなったことだ。
娘の友達として、事件の時もいろいろ動いてくれたのに。
あの子の方が、指導力とカリスマ性があることを、
アイツも理解していた。」
「9月 △日
シュンから呼び出されて事務所へ。
『犯人』の家庭側との交渉がまとまりつつあることを知らされる。
自分の娘のことで大変だっただろうに、
そんなことは、ひとつもこちらには気取らせない。
淡々としている。
コイツももう少し、他人を頼ってもいいのになと思う。
何でも自分でやりすぎるのが、
コイツの長所でもあり、
短所だと思う。」




