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アタシの、本当の、気持ち(21)
俊作さんの苦悩が感じられた。
確かに、過去に間違った選択をしてしまった。
これは、取り返しがつかない、事実だ。
だけど、それなりの償いをし、それでも罪の意識が消えない。
一方で、過去の一人の間違った選択の、犠牲になった側も、
今だに苦しんでいる。
どうしたらいい?
オヤジの日記を読み進める。
「2月 〇日
やはり、実咲は自主退学を決断した。
退学手続きについては、シュンの顧問弁護士を通して行う。
本人がS高に顔を出すこともなく、スムーズに事が運ぶだろう。
そうだ、今は、そっとしておくことだ。
他人より、少し、時間がかかったっていい。
そういう意味では、人生は結構長いものだ。
救いがあるのは、実咲にはオレが感心するほどの
向学心があることだ。
取得単位を確認したら、
卒業に必要な単位は、すべて取得している。
真面目に通っていた生徒が、
どう見ても理不尽な目に遭ってしまう、
憤りしかない。」
オヤジ、相当怒っていたんだ。




