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アタシの、本当の、気持ち(16)
妙に、リコさん、素直になっちゃったな。
でも確かに、言われてみればそうだ。
一緒に長い間生活していても、
私だって、両親の全てを知っているわけではないんだ。
そして、過去に過ちを犯した人だって、
その後は、正しい行いをしていく人だっている。
「そうすると、改めて、問題を整理しましょう。」私は、話す。
「リコさんとお父さん、
リコさんには心のわだかまりはあるかもしれない、
だけど、こればかりは、時間をかけて、解決していくしかないと思う。
だけど、まだ情報不足な点がある。
それは、リコさんのお父さん、吉田俊作氏と、
ウチのオヤジとの関係。
なぜオヤジは『特命ヒラ社員』として任命されたのか。
そして、吉田氏からの『特命』とは何だったのか。」
「なんだか、楽しい感じになってきたじゃないですか。」と、京香ちゃん。
「あのなあ、他人の事で面白がるなよ。」とリコさん。
「でも、深刻な話題になるより、
本当は笑い飛ばしてもらった方が、
リコ様としてはよろしいのでは。」と、シュウさん。




