アタシの、本当の、気持ち(15)
先週月曜は、『ボクシング教室』休みで欠席した京香ちゃん、
今日の月曜には、元気で参加。
『辺境クラブ』の最初は、彼女の『心理学検定』の勉強の進捗報告。
ルーズリーフノートは完成して、
ひたすら音読と書き込みをしているとのこと。
順調だ。
来年2月の受験にまで、約4か月以上ある。
後期試験の勉強期間を考慮しても、
余裕をもって受験できる。
その京香ちゃんにも残ってもらって、
リコさんとお父さんの関係についての話し合いである。
早速、京香ちゃんから質問があった。
「リコさんは、結局、お父さんとの関係をどうしたいのですか。」
「アタシは、今更、オヤジと仲良くしたいとは思えない。
ただこうして、こんなアタシが、
生活の大半を支援してもらっていていいのか、という疑問がある。」
「リコさん、過去のことは大体分かりましたが、
リコさん以外の人間である私が、
リコさんの苦しさを理解できるとは思えません。
だから、私の感想だけ言わせてもらいます。」
私、少し、びっくりした。京香ちゃん、意外としっかりしている。
「過去にどんなことがあったか、私には実感がありませんが、
お父さんが今していることは、わが子に対して当然のことをしている、
それだけだとしか思えません。
そういう生活援助もできないような、
いい加減な保護者よりも、
何倍も親らしいことをしています。
その親が、過去に大きな失敗をした、
そうとしか思えないんです。」
リコさん、しばらく考え込んでいた。
「『若気の至り』というヤツか。
そうかもしれない。
アタシは、まだまだ、オヤジについて知らないことだらけだ。」




