アタシの、本当の、気持ち(14)
「それにしても、リコさんのお父さんと、ウチのオヤジ、
いったいどういうところから、こんな繋がりができたの? 」
私はつぶやく。
どうも日記の書きぶりや、相手への口調から、
単なる上司と部下の関係とは思えない。
それも、かなり以前から知っている間柄じゃないかと思う。
私の考えをリコさんに話したら、
「同感だな。
過去に何かあった。しかも二人は友人のような関係かもしれない。
まるきり対等な言葉遣いだからな。
アタシがここを家庭教師先として紹介してくれたのは、
あのデレスケのタケの、その母親だったが、
あの男、もしくはキミのオヤジさんもからんでいるのかも・・・」
「ねえ、今日はここまでにしておきましょう。」
「なぜだ? 」
「月曜に、『辺境クラブ』があるでしょ?
今まで分かったことを整理して、みんなに話そうよ。
また違った視点で意見をもらえるかも。」
「まあ、陽子のように、素朴な視点で、
思い込みを排した考えが役立つかもしれないからな。」
「そういう意味では、京香ちゃんも来ちゃうけど、
彼女にも聞いてもらうの? 」
リコさんは、ちょっと考えたが、
「別に、知られて困るほどのことではあるまい。
彼女の意見も聞く。」




