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アタシの、本当の、気持ち(6)
オヤジの遺品、盲点だった。
家で飲む酒と、アニメのDVD鑑賞、
それとスポーツ少年団のミニバスケットボール指導が趣味のオヤジの遺品、
DVD以外にあったっけ?
「急がなくていい。気楽な気持ちで調べてくれないか。
ウチのオヤジと接点があったら、よい手がかりとなるのだが。」
リコさんがそう言って、この日はお開きとなった。
ウチに帰って、夕食のときに母さんに訊いてみた。
「オヤジの遺品、なんてある? 」
「なんでまた、急に? 」
「いやあ、なんか、オヤジって、ただスケベでバカなだけだったらね
ちいと情けない感じがしていたから、
なんか意外な面があったかなあ、というところで。」
すると母さん、なぜか真顔になって、
「あるよ。」




