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アタシの、本当の、気持ち(5)
私は、シュウさんに尋ねる
「この古河市内に関連する企業はないの? 」
シュウさんは答える。
「あるとは聞いたことがありますが、名前までは・・・」
「そもそも、私らが知っている企業なんて、あるかしら。」
私、そう言いかけて、「あった。」
「どこだ、それは? 」
リコさん、怖い顔。
「オヤジのバネ工場。」私、答えた。
「どうだろう、吉田家御当主と関係あるのかなあ。」陽子さん、ごもっとも。
「関係なしとわかれば、古河市内の数多くの企業から
吉田家関連企業と無関係な会社が1つ、見つかったというだけだ。
調べる価値はある。」
「でもどうやって?
いきなり突撃をかますの? 」
「いや、外した時の事を考えて、
事を荒立てる必要がない。」と、リコさん。
そこでシュウさん、いつものように冷静な口調で話す。
「まずは、実咲様のお父様の遺品をお調べになるのはどうでしょうか。
何かヒントになるものがあるかもしれませんよ。」




