『辺境クラブ』は、楽しいよ(2)
私のガラではないのだけどなぁと思いつつ、
『偉い人』とやらを演じたくもなった。
『修道女』モードに私は切り替える。
「分かりました。
入部を許可いたしましょう。」
「入会金など必要ですか。」
「お金は取りません。活動に関しては、タダです。
ただし、『交通費』は必要です。」
「『交通費』? 」
「放課後にお話ししますわ。」
この場は、これで別れたんだ。
授業が終わって、今日は歩道を、車道側から、
陽子さん、
京香ちゃん、
私、
リコさんと、
横並びであるく。
そのくらい、小山駅からの歩道は広い。
「並んで歩くのって、なんだか心、ぽかぽかしますね。」と、京香ちゃん。
「いいでしょ、毎日これだけでも、心癒されるというものでしょ? 」
と、私。
「こういうなんでもなさそうなことを、長く忘れていた。」と、リコさん。
陽子さんは、無言。
『運び屋』として、周囲に目を光らせている。
駅につくと、私は京香ちゃんに言う。
「私たちは、古河に行くけど、ついて来る? 」
「交通費とは、こういうことだったんですね。
行きます。行かせてください。」




