『辺境クラブ』は、楽しいよ(1)
振り返ると、私とは真逆の、
150cm台で、スレンダータイプ、
中学生のような、
小動物のような、
マスコットのような少女、
そう、女子大生というより、少女がいた。
「あの、私、同じ心理学専攻1年の、
小暮京香といいます。
私、『心理学検定』、1級、いいえ、特1級を取りたいんです。
勉強を、教えてください。」
うわーっ、こりゃ、私とは違うタイプだ。
真っすぐすぎる。
正直苦手だ。
それを察したのか、
リコさん、私が視線を向けると、そっぽ向いた。
(「アタシを頼るな。」と言わんばかりに。)
「部長、入部許可、よろしい? 」私は、リコさんに問いかける。
「部長はキミではなかったのか? 」リコさんは、すっとぼける。
「あー、分かったわよ。
ちなみに京香ちゃんから見て、私とリコさん、
どっちが部長に見える?
これで決めましょ。」
京香ちゃんは、即答した。
「あのう、大野さんの方が部長ではないかと。
なにせ、新入生代表挨拶をなされましたし、
いつも綺麗なメイドさんを2人も従えて登下校されていますし、
なんなら、他の人にもお尋ねになられても。
大野さんは偉い人だと思われていますよ。」
リコさんと陽子さん、二人、噴き出した。
「やっぱり、実咲は態度がデカいからな。」
「やはり、そう思われていましたか。
京香様、ご慧眼でございます。」




