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ザ・ワールド(5)
あとから、リコさんもこの場に登場。
「何かあったのか。」
陽子さん、平然として、
「問題ありません。
それよりも、間もなく講義が始まります。
ご準備ください。」
とっさの判断で、あんな行動をとってしまって、
今頃になって、赤面する。
まあ、ああ見えて
陽子さん、直情型かもしれないから、
私が間を取り持つには、
『修道女』ルックが適切かも。
ただ、これはこれで、困ったことが、また増えた。
「やっぱりすごーい、大野さん! 」という女子。
「悔い改めます、実咲様! 」ノブのマネでもするのか、男子。
夏に向かって、どんどん私のまわりが、
ダメになっていくように思えるのは、
考えすぎだろうか。




