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ザ・ワールド(2)
私の拙い文章が、
誰かの支えになっていれば、
それだけでいい。
小山駅の改札を抜けると、いつもとはやや異なる反応が。
「リコさーん。」
「陽子さーん。」の声にまじって、
「実咲ちゃーん。似合ってるー。」の、野太い声。
例の、オタク集団だ。
まずいな。
マニアを目覚めさせてしまった。
やはり、『修道女』は悪手だった。
だが、遅い。
もう、これで、突っ切るしか、
道はないんだ。
右手に『運び屋』陽子さん。
左手にリコさん。
二人のメイドを従えた、
『修道女』の私。
なかなかシュールな図だと思う。
もう、この状況を楽しむしか、ない。
特に、陽子さん、リコさんが
無表情でクールなのに、
私があたふたしているのは、バランスが悪い。
よって、私も、クールな無表情に、していく、つもりだ。




