もうこうなったら(2)
華菜ちゃんに対して、朋香ちゃんはこうだ。
「正直、私、ここにいていいのかな、て思うんです。
リコさん、実咲さん、陽子さんがいて、
華菜さんみたいに有名人がいて、
そこに私みたいなのがくっついているのは、
なんか場違いのような、申し訳ないような・・・」
ちょっと沈黙のあと、
「いいんじゃねーか、
あのアホのタケみたいなのだって
いるんだからよ。」
華菜ちゃん、いつの間にか、場を仕切っている。
リコさんも加わる。
「華菜のような規格外ばかりでも
困るんだ。
フツーの人たちが寄ってこられるようにするためにも、
朋香のような子は、必要なんだ。」
リコさんの言葉に、朋香ちゃんメロメロ。
「人を化け物のように言うな。」華菜さんはリコさんに盾突く。
「陽子はどうなんだ。」リコさんが話を振る。
「正直、セキュリティーの強化は必要です。
入学当初のように、小山市警察の協力を要請しましょう。」
冷静である。
「京香ちゃんは? 」私が振ると、
「陽子さんのおっしゃる通り、セキュリティーはお願いしたいです。
でも、登下校時に人だかりが多いのは、喜ばしいことです。
リコ様のお力を天下に示す、良い機会となります。」
すっかり、下僕になっておる。
「実咲は? 」とリコさんに訊かれたので、
私は一言、「是非もなし。」
「と、いうことだ。シュウ、面倒だが、手配を頼む。」
「御意。」




