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大学生活のスタート(7)
ただ、こちとら普通に過ごしているつもりでも、
なぜか目立ってしまう。
講義中は、他の学生からの視線が、刺さる。
講義のノート(例によって、科目毎のルーズリーフだ)を
せっせと書くのだが、
大学の先生というものは、
あまり黒板に書きたがらんものらしい。
だから、聴いたことをメモしていくのだが、
傍から見ていると、私の姿は異様に見えるらしい。
右手に黒ボールペン、
左手には修正テープ、
凄まじいスピードでルーズリーフに書きまくる。
とにかく恐ろしい速度で、
それに伴ってにぎやからしい。
ボールペンのペン先が、
紙にこすれる音が、
静かな教室に響くくらいだ。
あるおじいさん教授には、
「昔の棟方志功先生の版画を彫る姿を思い出したよ。」と言われた。
(ムナカタシコウって、誰? )
私は、『新入生代表挨拶』で、
勉強第一を宣言してしまったらしい。
(夢中になってしゃべっていたから、一言一句までは覚えていない)
なんだか周囲からは『できる人認定』されたようだ。