それぞれの選択(24)
昼休み、学食でリコさんたちと話。
「アンタ、昔はシャアみたいな感じだったけど、
今はシロッコみたいに、女をはべらせてるわよね? 」
「誰だ? シャアとかシロッコとは? 」リコさん、すっとぼける。
華菜さんの月曜朝もすごいけど、
京香ちゃんの木曜朝もひどいものだ。
こちらもリコさんの左手にしがみついて登校する。
こちらは華菜ちゃんみたいな体力はないから、
本当につらそうだけど、
やっぱり上気した顔、
うつろな眼、
こっちの色気も負けず劣らずだ。
さすがに妹の朋香ちゃんも付き添ってはいるが、
言葉をかけても上の空。
こちらもまた京香ちゃんファンも一定数いて、
向ける視線が熱すぎる。
華菜ちゃんは途中から小山駅へUターンするが、
京香ちゃんは大行寺キャンパスまで行くので、
最後はひきずるみたいになってしまう。
門に入ると、
朋香ちゃんの肩を借りて建物まで歩く。
「あのねえ、いくらなんでも、
ヤリすぎじゃないの? 」私がリコさんにかみつくけど、
「あの子たちが望むままにしたらああなった。
実咲もあんなもんだろ? 」
たしかにそうだ。
私は土曜担当だから翌日休めるけど、
華菜ちゃんや京香ちゃんは翌日も大学の授業がある。
「それと、アタシの心配はしないのか? 」
「アンタは、鍛え方が違うんでしょ? 」
私、嫉妬するより、呆れてる。




