それぞれの選択(18)
「さて、種はどこにあるかな、買いに行こうか? 」と、私。
「その前に、お店の視察が大切ですよ。
予算を設定して、
誰がお金を出すかもはっきりしないと・・・」と、朋香ちゃん。
おっとりしているように見えて、結構しっかり者。
「それはリコさんが言ってたよ。
『辺境クラブ』のみんなのためになることなら、
お金は惜しまないって。
それに、もしお金を出さないって言ったら、
私がおねだりします。
『愛人』なんですから。」と、京香ちゃん。
もう、今まであった悲壮感のようなものもない。
情熱家なんだと思う。
「それじゃ、予算申請するためにも、
水曜に『コメリ』とか『ジョイフル本田』あたりに
出かけましょうか。」と、私。
「今日、100均に行くって手もありますよ。
種や肥料、安く手に入ります。」と、朋香ちゃん。
「えっ、100均でも売ってるの? 」と、京香ちゃん。
「でも、びっくりしたわ。
二人とも、結構やりたいことがあったんじゃない。
大人しく、勉強しているだけかと思ったら、
こんなに積極的だったとはね。」と声をかけたら、
二人とも、にっこりしていた。




