それぞれの選択(16)
「二人に一応聞いとくけどさ、
『心理学』や『英語』の他に、
二人にはやりたいことってないの?
ウチの『辺境クラブ』は、勉強にこだわらずに、
好きなことをやってみるのが目的だから。
『やりたいことがあれば、法律と公序良俗に反しない限り
なんでもやってみよう』って、リコさんも言ってるし。」
京香ちゃんは食いついてくる。「リコ様からメイクを教わりたいわ。」
そりゃそうだよな。
やっぱりリコさん・陽子さんは別格だし。
男があれだけのものになれるんだから、
女ならなおさらだよな。
「朋香ちゃんは? 」
「私、ガーデニングがしたいんです。
ログハウスの前って、あれは花壇でしょ?
今のところ、何にも植えられてないし、
あそこにお花を植えたら、本当に見栄えがいいと思うの。」
そりゃそうだ。
リコさん、陽子さんはそう気が利くほうではないし、
執事シュウさんも本社の秘書の補助をやってるから
なかなか庭の花のことまで気が回らなかったのかもな。
「いいじゃない、ガーデニング、
私もやりたい! 」京香ちゃんも大賛成。
とりあえず、私も入って週1~2回、
簡単に世話できるものから取り組むことにした。




