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大学生活のスタート(5)
「大野さん大野さん、いつも一緒の二人、誰? 」ストレートの質問だ。
「黒髪ロングの方はリコさん、
この教育学部の英語教育専攻、
金髪縦巻きロールの方は陽子さん、
私たちの荷物の『運び屋』さんよ。」
「すごーい、二人もメイドさんがついて、大野さんお金持ちなの? 」
「違う違う、リコさんがお金持ちで、メイドさんは陽子さんだけ。」
「でも、そういう人たちとお友達なんでしょう? 」
「そうだよ。」
「綺麗よねぇ。」
今だ、チャンスだ!
『綺麗』、この言葉が『スイッチ』だった。
「でも、あの二人、『男』なんだよねえ。」私、ぶっこむ。
えーっ!
その場にいた全員、吹っ飛んだ。