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それぞれの選択(5)
シュウさんと陽子さん、一緒にここまで迎えに来た。
陽子さんはリコさんの車を運転し、
私とリコさんは、シュウさんの車に乗る。
リコさんの車と型は同じだが、真っ赤な車である。
運転するシユウさんの横、助手席に私、
私の真後ろにリコさん。
「よく、ホテルの名前だけで迎えに来れたな。」
リコさんがそう言うと、
「私たち、よく利用いたしますので。」と、シュウさん。
全く表情が変わらず、いつもながらクール。
恥ずかしいという感情がないのかな。
古河市に戻り、
私の家の前に来た。
下りて、家に入る。
「おかえり。」母さん、それ以外、何も言わない。
まあ、なんだかんだで疲れているから、何も言われないのは
助かる。
ただ、2階に上がるとき、
「避妊だけはしときなさいよ。」結構大きな声で、恥ずかしかった。
「大丈夫。『アフターなんとか』というのを
リコさん、事前に用意してたから。」
「やっぱりね。ほんとに、ぬかりないわ。」
無表情だ。




