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それぞれの選択(4)
リコさん、私を担いだまま、
猛スピードで外に向かって駆け出した。
「シュウ、陽子、後は任せた。」と、小声で言い残して。
リコさん、外へ出ると、
私をいつもの車に放り込み、
すぐに走り出した。
「ちょっと、どこに行くの?
主賓がいなくなっていいの? 」
「実は、キミの母親から
『いつでも娘を連れだしてくれ。
いや、いつになったら
かっさらうつもりだ。』と
せっつかれていた。」
車は西に向かって進んでいく。
「どこに行くの? 」
陽はどんどん傾いていく。
「着くぞ。」
栃木市のはずれの
ラブホテルだった。
「関東平野が一望できる、人気のホテルだ。」
車は、どんどん進んで、駐車場に止まる。
夕方から翌朝まで、
私たち、お猿さんでした。
さすがに朝食抜き、睡眠抜きはバテました。
昼食食べて、
それからまたお猿さんして、
ちょっと寝て、
夕方、執事シュウさんたちに、迎えに来てもらいました。




