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新しい活動(32)
そうこうしているうちに、各方面への根回しの甲斐もあって、
タケくんは、なぜか大学陸上部の出入りも許可された。
まずは、陸上部女子の皆さんとお近づきになってからということ。
ただし、ここはノブさんの勢力範囲でもある。
だから、わざとらしくならないよう、
まずは法学部・経営学部系の女子学生にターゲットを絞る。
でも、このあたりは、すんなりうまくいったみたい。
というのは、やはり、他競技の女子相手とはいえ、
走りで負けずに、対等かつ余裕で戦ったということで、
女子選手からのリスペクトが容易に得られたんだ。
「タケく~ん。」
たまに部活の様子を見学してると、
女子選手や他のギャラリーからの声援にデレデレしてやがる。
「いやあ、ただのチームメイトですよぉ。」
本人はリコさんや私の前で照れてみせるが、
リコさん「アタシの見込んだ通りだ。とけ込んでる。」
満足げだ。




