大学生活のスタート(2)
4月2日に入学式、
今日から履修登録期間、健康診断期間となる。
「これじゃ、昨日よりひどいじゃない。
どうすんのよ!
しかも、アンタ、健康診断のときにどうするの?
第一、男として受けられるの? 」
「心配するな。
そのうち、なんとでもなる。
ちなみに健康診断については、
3月に受けた、吉田家御用達医院による
最先端の人間ドックの結果を
大学当局に送っておいた。
健康状態に関しては、一点の曇りもない。」
リコさん、ぬかりはないけど。
でも登下校のあの人だかり、何とも困ったものだ。
と、思ってはいたものの、陽子さんの存在は大きい。
駅からキャンパスへの、広い歩道を歩く私の両脇を、
車道側、私の右側に陽子さん、
私の左側はリコさんが歩く。
「本当は、キミの右側を歩きたかった。」ってリコさんには言われたけど、
いろんな意味で危ないと思う。
それに、モブキャラのノブさんとシゲさんが、
絶えず私たちの周囲にいて、
目を離さないでいるらしい。(どこにいるのか分からんけど)
陽子さん、リコさんはそれぞれ美形だが、
ガタイはそれなりにデカいから、
私の両脇を固めると、
結構スペースができる。
しかも今日は、二人とも最初から黒グラサン、
しかも一度も外さない。
いかにも『運び屋』的な雰囲気だ。
昨日より、若干、観衆は少なめに感じた。
だけど、相変わらずの大名行列。
「なあに、ゴールデンウィークも過ぎれば、
ウソみたいに人は減るさ。
大衆は熱しやすく、
また冷めやすい。」
リコさんは、楽観的だ。