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新しい活動(16)
「なぜ、『お料理教室』に参加したいんだ。」リコさんが訊く。
「食うためだ。」即答。
「ならダメだ。タダ飯喰らわせるほどの余裕はない。」リコさんも即答。
「待て待て、最後まで話を聞け。
もう一つはなぁ・・・」ここまで言って、華菜さん、顔を赤らめた。
「なんだ、早くしろ。」
完全に、リコさんが主導権を握った。
「花嫁修業としてさ。」華菜さん、真っ赤になった。
「なんだ、嫁にでも行くのか? 」リコさん、追及が厳しい。
「そうじゃなくてさあ、そういうんじゃなくてさあ、
アンタのところに嫁に行くんだよ。」
なんだとお!
私、華菜に料理じゃなくて右フックを喰らわせたくなった。
「あんたねぇ」と私が言おうとしたら、
「それもダメだ。
アタシの嫁は、もう、決まっている。」リコさん、押し殺した声。
「ここにいる、実咲だ。
アタシの嫁は、コイツだけだ。」




