新しい活動(15)
放課後、私、リコさん、陽子さんの3人が
体育館の入り口に向かう。
体育会の人たち、けげんな顔で
私たちの側を通過していく。
そこへ、華菜さん登場。
リュックを背負って、
本キャンパスから走ってきたのか、
結構汗だくだ。
「なんだ、ここまで走ってきたのか? 」と、リコさん。
いやいや、
こちらがアンタを紹介してから話をする段取りだったでしょ?
「そうだ。
これでアップの時間は稼げる。
すぐに練習ができるだろ? 」
かなりの速さで走ってきたのか、息もきれぎれといった華菜さん。
「こちらが、リコ様です。」私が紹介する。
「話は聞いてるだろう、アタシが吉井、華菜だ。」
私は見ずに、リコさんに話しかける。
「そうか。
アンタは、何がしたいんだ? 」リコさん、構わず踏み込む。
「アタシは、週3回もアンタらの『活動』とやらには加われねえ。
御覧の通り、バスケで忙しいからよ。
ぜってえ、大学日本一になりてぇんだ。
だから、大して活動できねえが、クラブには入れてくれ。
水曜の『お料理教室』にだけは、行きてえんだ。
費用も出す。
頼む。」
意外だった。
てっきりこの人、
リコさんと『タイマン』がしたいのかと思っていたから。




