新しい活動(12)
今度は、3人して自転車に乗って、本キャンパスへ。
こちらは3人、
華菜さんは一人、
学食に登場。
みんな、離れたところで私たちを見ている。
「写メなんか撮ったら、
スマホぶっ壊すぞゴラァ。」相変わらず華菜さん、怖い。
ノブさん、私に耳打ち。
「思い出しました、実咲さん。
この子、中学の時から、
栃木県ではかなり知られたヤンキーで。
正直、あまり関わりたくないレベルです。
男でも、この子に何人潰されたか、
というレベルなんです。」
私、肚を据えました。
「なぜ、リコさんに会いたいのですか? 」
華菜さん、足を組んで、
こちらを嘗め回すようにして、語る。
「アイツ、アタシの大学デビューを台無しにしやがった。
入学初日、アタシはこの恰好で、
大いに周囲をビビらせて、
小山駅周辺でやりたい放題したかったんだ。
こっちの本キャンパスの方が駅から歩いて1分、
あっちの大行寺キャンパスは、
反対側でしかも20分はかかるようなイナカもいいとこ。
それなのに、アイツが現れたら、
こっちの本キャンパスのヤツらも、
上級生も、
みんな大行寺の方に行きやがった。
誰もこっちにはいやしない。
ポツンと、アタシひとりだよ。
なんで人がいないんだよ。
頭きたから、
そこらにいるヤツを片っ端から捕まえて、
何が起こっているのか訊いたらよ、
『とんでもない長身美人メイドが西口に現れて、
毎日大行寺キャンパスに通っている。
しかも、本キャンパスの学生まで
一旦、大行寺までついていってから
引き返して本キャンパスに来ている。』って、言うじゃねーか。
なんだそいつはよおって、
文句の一つでも言いたいと思ってたけど、
問題はもう起こせないし、この1年、我慢してたんだ。
そしたら修道女姿のアンタがここに現れるし、
もーう我慢の限界だ。
アイツに会わせろ! 」
私はははーん、て思ったわ。
ちょっとからかってやるか。
私は恭しく言った。
「リコ『様』にはお会いできるよう、
こちらも最大限、配慮いたします。
なにせ我々でさえ、朝と帰りくらいしか、お会いできないのですから。
ところで、ご確認いたしますが、
リコ『様』が、『男性』だということは、
あなたはご存じでしたでしょうか? 」




