幸せとは、なんだ?(20)
そういえば、京香ちゃん、どこ?
「ああ、お姉ちゃんは・・・」
そう言いかけたとき、陽子さんの姿が消えていた。
まさか・・・
廊下の突き当り、
陽子さん、
京香ちゃん、
ノブさん、
陽子さんが左手でノブさんをネックハンギングツリー、
ノブさん、両足が宙に浮いている。
「貴っ様~。また仕事をサボッてナンパか~。
しかも今度は、京香様だとぉ。」
「陽子サン、許してくれ~。」
「ほう、この技を喰らって、まだしゃべれるとはな。」
まずい。
「陽子さん、いけません。
寛大な神は、この迷えるノブをお許しになるでしょう。」
こういうとき、私は修道女モードになる。
陽子さん、ノブを床に下した。
「ノブ、なぜ京香をナンパしたのですか? 」私は努めて冷静に訊く。
「だってよぉ、毎日毎日、リコ様たちが楽しそうでよぉ・・・」泣き出す。
あとは、ちゃんと言葉にならない。
だけど、多分、こういうことかもしれない。
ノブや、あのシゲも私たちと同世代。
だんだん『辺境クラブ』の活動や、
大学生活へのあこがれもあったのかもしれない。
私は、リコさんに
「どうする? 」と訊いた。




