幸せとは、なんだ?(16)
私や京香ちゃんが『心理学検定』の『特1級』に一発合格した話は、
結構、周囲に広まっているらしい。
全国の短大や大学では、『2級』合格を奨励したり、
合格に向けた受験指導に力を入れたり、
心理系大学院受験の際に『特1級』『1級』取得者への
優遇措置がとられている大学院もあるようだ。
直接的には、資格というほどのものではないかもしれないが、
大学院受験や
公認心理師・臨床心理士の受験勉強の基礎段階としては
十分に役に立つ。
『辺境クラブ』の力を示せたんじゃないかな。
ちょっとうれしい。
2年目に当たり、リコさんが新たな入会規定を提案した。
大学当局と協議して、サークルの掲示板に貼ろうという。
案として、次のようにするという。
『1. 女子に限る。』
「なによこれ! 」
「水曜に、ただお菓子や料理を食べに来るだけの男どもが集まっても
困るだろう。
また、金曜のボクシングで、
男ばかりの汗臭いのも困る。」
「どうせ、オッパイ目当てなんでしょう? 」
「そんなことを言ったら、京香にやめてもらうことになる。」
「それセクハラ。」私、怒った。
「オッパイに関する規定はない。
第一、アタシの腕は2本しかない。」
何言ってるんだコイツ。
すかさず、陽子さんが私に耳打ち。
「リコ様が揉むオッパイは、
実咲様だけということですよ。」
「そういうことだ。」リコさんも口をはさむ。
二人まとめて、ワンツーをお見舞いしたくなった。




