幸せとは、なんだ?(12)
この前、英検1級の1次試験を受験しに行ったらしい。
英検準1級までは小山市(しかもウチの白鷗大学)で受験できるけど、
1級は、都内の指定された会場まで行かなくてはならない。
さすがに、日曜日で通勤ラッシュに遭わないとはいえ、
リコさん一人で行くのは、痴漢される心配もある。
執事シュウさん同伴で行く。
シュウさん、美形だけど、結構コワモテ。
余裕で1次試験は解けてしまったらしい。
「準備にトータルで半年以上の時間はかけた。
当然だ。」
「ウチの大学受験もあったじゃない。
大学受験の勉強との兼ね合いはどうしたの? 」
「英語と数学Ⅰ・Aしかなかったではないか。
英語は英検1級の勉強で十分、
数学は元々専門。
一日1時間弱の勉強時間で足りている。」
「大学卒業で、卒業論文を書くのもあったんじゃないの? 」
「問題ない。3年の時から書き始め、
4年の初めにはほとんど完成していた。
指導教官にチェックを入れてもらったが、
多少の修正は入ったものの、
短時間で作業は終わった。」
そして、私の方に改めて向き直って、言った。
「すべては、あらかじめ、やるべきこと、計画されていることなら、
時間をかけてやれるよう、なるべく前倒しして準備すべきだ。
問題は、あの『事件』のように、イレギュラーな事故が発生することだ。
これだけはいつ発生するかは、あらかじめ予測なんてできない。
実咲が心身ともに立て直していくのにある程度時間がかかったのは
仕方がないが、良く戻ってきて、ここまでやってくれた。
感謝しているんだ。
ありがとう。」
また、リコさん、泣き出すんだ。