ほんとに、もう! (11)
『ホクの家庭教師』の方が、累計ユニークアクセス2000人突破です。
とてもうれしいです。
「もう、『ああ』か『そうか』で簡単に済ませないでくれる?
もうちょっと、気の利いたことを言ってごらんなさいよ。」
「善処する。」
まあいいか。
私たち、まだ、つながっていけるんだ。
それにしても、入学式が終わった後の方が、もっと大変だった。
まるで芸能人のように、
リコさんの周りに人だかりができてしまって、
移動するのが一苦労だった。
今日はたしか、入学式だけだったから、
まあいいけど、
おそらく明日もこの調子だ。
ちなみにリコさんと一緒にいるから
私も巻き込まれてしまうのかと思っていると、
ちょっとリコさんが席を外しているときに、
なぜか私のサインをねだられる。
「スピーチ、感動しました。これから一緒に頑張りましょう。」
「凛々しい姿、カッコ良かったです。サインください。」
リコさんの横にいるから、私まで『すごい人』認定されたのかなと思う。
やっとの思いでキャンパスの外を出る。
だけど、ここからがまた一苦労だ。
この大行寺キャンパスから出て、
思川にかかる、長い観晃橋のあたりまで、
まるで大名行列のような人だかりができてしまった。
もちろん、大名行列の先頭は、私とリコさんだ。
「ヤバいよ。私たち、大名行列の先頭じゃん。」
「今日は入学式だから、特別に人が多いんだろう。
明日からは、おさまるさ。」
「そうかなあ、そうだったらいいけど。」
相変わらず、リコさんの写メを撮る人が多いし、
一目見たいと、ちょっと近寄ってくる人も多い。
リコさんは眼光鋭いから、なんとか距離をとってもらっているけど、
歩きにくいなあ。
「これでは、小山の駅ビルで昼食はとれない。
このまま電車で古河まで行ってから、
アタシの家で食事だ。
こういうこともあろうかと、
陽子には食材を用意してもらっていた。
もう電話して、指示はしてある。」
さすが、転んでもタダでは起きないひと。