109/202
幸せとは、なんだ?(7)
リコさんが仕切るが、
食材を切るなどの下ごしらえは陽子さんに全部やらせる。
「固い食材から切れ。
にんじん、ピーマンが先だ。」
とか、
「もっと細かく、火が通りやすくしろ。」
人遣いは、はっきり言って荒い。
だけど、口だけじゃないね。
結構大きな中華鍋を大きく振るう。
とじた卵をサッと入れる。
あらかじめ温めておいたご飯を入れたらまた振るう。
塩、コショウを入れる。
私は味見係。
できた。
今日は4人で食べる。
実に美味しい。
でも、どこかで食べた味によく似ている。
「誰から教わったの? 」母さんが尋ねる。
「母です。」と、リコさん。
「やっぱり。」と、母さんが言うので、「なぜ? 」と、私。
「私も律子さんから、教わったのよ。
焼き餃子も、チャーハンも。」