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幸せとは、なんだ?(4)
全部、納得したわけでもなく、
もやもやした気持ちを抱えているんだろうな。
リコさんを見ていると、そう思う。
片親を亡くした悲しみは、そう簡単に消えるものではないことは、
つい最近亡くした私が、よくわかっているつもりだった。
でも、リコさんの場合は、もう一方の片親との折り合いが、
なんとも割り切れないでいる。
母さんに支えてもらっている私とは、違う。
執事シュウさんや、陽子さんにそばにいてもらっていたって、
寂しさはあるだろう。
ウチの母さんと私が、
リコさんの家族として存在できれば、どんなに支えとなるだろう。
そう考えて、頬が赤くなるのが自覚できた。
大学に一緒に通う。
学食でのランチ。
小山駅から大学キャンパスまで歩く。
何気ない日常を、この人と一緒にいる。