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アタシの、本当の、気持ち(36)
母さんは、「いいんじゃないの? 許せなくても。」
「でもね、親を許せない自分のことは、許してあげてもいいんじゃないの?
これまで通り、生活支援をして下さるのなら、
親のスネをかじってもいいと思うの。
別に父親に感謝したり、言葉に表さなくてもいいんじゃないの?
でももし、あなたが本当に、父親に復讐したいと思うのなら」
母さんはここまで言うと、
「あの父親よりも、幸せになんなさい。
それがあなたがすべき、最高の復讐。」
リコさんは、声をあげて泣いた。
いつも無表情のリコさんが見せた、
『感情』だった。