1. 私の推し
私にとって推しとはかけがえのない存在。
彼女との出会いは中学2年生の夏…
2階にある自分の部屋からリビングに行き、冷蔵庫からペットボトルのお茶を取り出し、飲んだ時にふと母が見ていたドラマの女の子と目が合った。
その子はすっきりとした顔立ちに透明感のある色白美肌でくっきりとした二重、「美人」という言葉はこの子のためにあるんだろうと思わせるぐらい可愛かった。
女の私でも惚れる逸材だった。
「か、可愛い…」
これが私「粼 柚希」と
推しのアイドル「美弥妃 花音」
との出会いだ。
〜〜〜〜〜〜〜
あれから早、4年が過ぎた…
今でも私の推しは変わらず、花音ちゃんだ。
「今回のテスト、順位おちてる!!」
「私も落ちてたんだけど!」
「お前よりも俺の方がいいじゃん!!」
「お前勉強してないって言ってたじゃん!」
廊下に貼られた今回のテストの順位。
各々が順位を確認していた。
順位の掲示板を見ていると後ろから肩をぽんっと叩かれた。
「さすが、柚希じゃん! 今回のテストも上位キープ」
私に声をかけたのは茶髪のベリーショートでボーイッシュな見た目の私の親友、野乃花 詩織だ。
彼女は運動神経が抜群で女子バスケ部の主将を務めている。
「全然だよ、、、いつもアイツには勝てない」
私は書かれていた自分の名前を見た。
私の名前の上には2位と書かれていて、1位の方には一ノ瀬 秋斗と書かれていた。
「あいつ、また1位なの」
「うん、点数は私と10点近く差がある」
「あいつ普段勉強してないのに!!」
まぁ、2位なら花音ちゃんのライブに行っても怒られないだろう!
今回のライブチケットは握手会もあるから絶対に逃したくなかったんだよね!!!!
「俺、また1位じゃん! 粼ちゃん、ごめんね!」
笑いながら私の隣に来たのは黒髪で顔のパーツが整っている、いわゆるイケメンという言葉が似合う男、一ノ瀬 秋斗だ。 この男は成績優秀、運動神経抜群という完壁人間だ。 しかもサッカー部のキャプテンを務めていて、ファンクラブが出来るほどの人気ぶり。
「粼ちゃんってなんかいいね! これからは馴れ馴れしい柚希じゃなくて、それに変えてね。 一ノ瀬くん」
私はニコッと微笑んだ。
「もしかして怒った?? ごめん、冗談のつもりだから俺の顔に免じて許して!」
秋斗は焦った表情を見せた。
「怒ってないですよ。 世間的には一ノ瀬くんはイケメンだと思いますけど私には通じませんから!」
「俺にはファンクラブあるのに!?」
「ファンクラブあるのにです!」
「一ノ瀬は気があっても柚希には全然ないからね!」
「うっせーよ、野乃花!」
秋斗は赤面していた。
「私、部活あるからそろそろ失礼します!」
私は手を挙げた。
「もう部活なの?」
「うん!」
「おい、まだ話終わってないんだけど!!」
「私はもう終わりました。 2人も遅刻しないようにしてくださいね」
私は部室のある校舎に向かった。
「あんた、本当に素直になれない性格だよね」
「うるせぇーよ」
「私は意外と2人の恋を応援してるよ。 だって、あんた達が付き合ったら学校一の美男美女のカップルじゃん!」
「どんだけアピールしてもあいつ鈍感すぎて無理じゃねぇ?」
「確かに鈍感なのは認めるけど、それで諦めちゃうの?」
「まさか、そう簡単に諦めれるわけないだろ」
「一途が実るように願っとくね」
私のいない所で2人は話していた。
初めまして、梵 天音です!
恋愛の小説を描きたくて久しぶりに書きました!
久しぶりなので間違えとか多いかもですが優しく見守ってください!