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隠滅の森  作者: 箕宝郷
中学校生活と川の流れ
18/27

下流(濁りは心を腐らせて)

 私はさすがに酷いことをしたと感じて謝りたいと思い、自習室を飛び出したが、もう楽田さんの姿はなかった。その後、私は罪悪感に襲われてしまった。小学校の時も同じようなことで喧嘩したことがあった。調子に乗るとつい、論破してしまう癖を治したい。私は帰宅後、深く反省をしていた。

 翌日、いつものように登校するとカイ君より声がかけられ「浩太、楽田さんと昨日なにかあった?」と聞かれた。ギクッってなった私は、「うるさい。カイ君には関係のないことでしょ!」と言うとカイ君は「浩太、また面倒な事起こさないでよ。」と言ってきた。カチンときた私は「お前、それは言いすぎだよ」と少し怒ってしまった。するとカイ君は「ごめん。でもこれだけは聞いてほしい。今日、楽田さんに謝ってくれないかな。頼むこの通り。」この時、私はどこか勘が働いた。小学校の時もそうであった。カイ君が小学生の時、仲直りさせようとしていた時にいつもこのような頼み方をしていた。(もしかして彼女はまさか!)そう考える様になった時、カイ君に「分かった。ちょっと僕もやりすぎちゃった所あるみたいだから、ちゃんと話するよ。」といった。するとホッとした様子で「ありがとう。それじゃ頼むよ。」と言ってカイ君は教室を出た。

 この日はそわそわして、あまり授業に集中できなかった。(今日は自習室に長く残って授業分を補おう)と邪な心でいた。

 放課後、私は駆け足で自習室へと向かった。自習室に入るといつもは楽田さんが先に来ているのに今日は誰もいない。(やっぱり、怒っちゃって来なくなったか。)そうがっかりしながらも、自習室に来る可能性にかけて私は勉強した。30分ほどたった時、楽田さんが来た。(あっ、来てくれた。良かった。)私はホッとした。私は楽田さんに「昨日は酷いこと言ってごめん。」と率直に謝った。すると、楽田さんは「えーそんな....気にしなくてもいですよ。据長さんって優しい方なのですね。」と言った。(気にしなくてもいいですよって昨日泣き目になってたじゃん。もしかして、強がっているのか?)と思いつつ、私は「あのー楽田さん今日は一緒に国語辞典一緒に使って見ませんか?私もちょっと国語辞典を使う楽しさを知りたいので...」楽田さんは意外そうな表情で「いいですよ。」と言って私たちはしばらく勉強した。となりで勉強していると、楽田さんは成績優秀な方であることが分かった。わからないところを楽田さんに聞くとなんでも答えてくれる。同じ生徒だからか?先生よりも細かく質問できる。この日は楽田さんのお陰で授業の不足分を補う事が出来た。

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